さてショートストーリー集、今度は趣向を変えてみて。 ふとしたことで雪乃先輩はみんなを家に招待することにしました・・・名づけて、「堀江家の食卓」。 『始まり・・・ふと、思い立った。』 「・・・んー」 夕食の最中、雪乃はスプーンをくわえながら、唸った。 「どうしたの?雪乃・・・」 たずねる母。 「お母さん・・・ホリエモンって言われるの、イヤよねぇ・・・」 呆れたように、雪乃はつぶやいた。 「そうねぇ。私も近所の人からホリエモンって呼ばれちゃって・・・」 「俺なんて、取引先のイタリア人に『ヘェーイ、ユーアージャパニーズフェイマスホリエモォン?』なんて言われちまった・・・はは」 苦笑いする、雪乃の父。 苗字が有名人と同じで、堀江家も苦労しているらしい。 「まったく・・・なんでホリエモンなのかしら。センス無いわよねぇ?」 とつぶやいたところで、雪乃は何故かスプーンをくわえながら立ちあがった。 「あ!そうだ・・・」 「どうしたの?」 いささか心配そうな、雪乃の母。 「なんとなく、お友達を招待したくなっちゃって」 雪乃は決まりが悪そうに、はにかみながら言った。 「まって、今の流れからなんでそうなるか分からない」 妙な顔して言う父に、雪乃は。 「みんななんて思ってるんだろうなぁ・・・って。だから、来週はみんなを夕食にご招待したいの!いいかな・・・」 すると雪乃の母は、うれしそうに。 「まぁ、料理に気合を入れなきゃね?」 父も、わくわくして。 「食卓はにぎやかな方がたのしいからなぁ!」 「・・・なぁ雪乃」 ふと、父がたずねた。 「みんなって?お友達かい?」 「うん、そうね・・・ほら話したじゃない、いつも昼休み屋上に集まってる面々」 雪乃は少しうれしそうに、言った。 「ところで、遙君は?」 「ハルカは恋人よ?当然毎日来てもらう事にするわ・・・」 その顔は、とってもうれしそうであった。 今日は日曜日! なんか久しぶりに、雪乃先輩にまた女の子の服着せられて、デートする事になっちゃった・・・・・・。 「先輩?今日はどこへ行くんですか?」 「え?テキトー」 その言葉が、何故か妙に先輩らしく聞こえました。 「だってわたしはハルカと二人で居られれば良いんだもの?わざわざキミとどこか行こうなんて考えますか!」 ・・・足の向くまま、気の向くまま。 ボクたちはどちらからとも無く、仲良く手を繋いで歩き始めました。 さわやかな、初秋の風の中。 ・・・・・・いくらなんでも、なぁにもしないでただ3時間以上も川辺を眺めてるだけなんて。 いつもならワケの分からないままどこかへボクを誘拐する勢いで飛び出してゆく雪乃先輩が、今日はおとなしく空を眺めてる。 ボクは、こういうのキライじゃ無いんですけど・・・。 「ねぇ、先輩?」 「なぁに、ハルカ」 ふと洩れた言葉に、あまぁい声で返す先輩。 「今日は空が、綺麗ですねー・・・」 ・・・なんか、こんな事しか、言えなかったよ。 先輩は、にっこり笑って。 「そうねぇ・・・わたし、こんなにじっくり青空を眺めたの、久しぶり・・・・・・」 ふんにゃりとした、笑顔。 初めて逢った頃からは、ちょっと想像もつかないや・・・今の雪乃先輩の、可愛い笑顔。 「なんかずぅっと、どたばたしてたもんね♪」 ボクは先輩ににっこり微笑みかけて、言いました。 「そうそう・・・ホンット慌ただしかったわ?ようやく落ちつけた、って感じなのかしら・・・」 そうして先輩とボクは、にっこりと顔を見合わせます。 「キミと付きあい始めた頃なんて、わたし妙にあせってたのよねー・・・」 「そ、それならボクだって・・・」 ・・・ホント、先輩とようやく付きあい始めても、右も左も分からなければ、目の前も真っ暗って感じでした・・・。 その手を優しく引いてくれたのが、雪乃先輩なんだろうなぁ・・・って。 でも未だに先輩の事良く分かってないって言うか・・・相変わらず、ナゾな人。 それに、なんだって出来ちゃう人なんです・・・ボクなんて、足元にも及びません。 先輩に、カッコイイとこ見せたいなぁ・・・って、いっつも思っているのだけれど。 ・・・そんな先輩でも、悩んだり困ったりする事、あるのかなぁ? 「だってねぇ、いっつも心配してるのよ?ハルカが他の人に取られやしないかって」 ・・・そういえば、雪乃先輩はすっごく心配性でした。 「もうっ!」 ボクは思わず先輩のほっぺ、ぷにり。 「・・・ハルカ?」 あっけにとられる先輩に、一言。 「そう簡単に先輩以外に取られたりするもんかッ!」 そしてまた、ぷにり! 「もぅ、ハルカったらぁ・・・」 そんな困った先輩の顔、可愛い・・・。 そして、雪乃先輩の逆襲。 「このぅッ!」 なぁんて言って、ボクに抱きついて、ぱたり。 ・・・そして先輩、黙っちゃった。 「・・・雪乃先輩?」 ・・・・・・先輩、空を眺めてた。 流れる白い雲じーっと見つめて、時々飛ぶ赤とんぼ目で追いかけて。 その、穏やかな瞳・・・。 そしてようやく、口を開きました。 「ねぇ、ハルカ?」 そういって、先輩は手を空に伸ばしました。 「なぁに・・・ん?」 空にかかった白い雲。 大きくて、大きくて、なんだか不思議な国がお空を飛んでるみたい・・・。 「いつか行ってみたいな、雲の上」 なぁんてとりとめない事。 ちょっと先輩らしくないような、でも妙に子供っぽいその言葉が先輩らしくもあったりして。 ・・・ボク、うれしくなっちゃった。 「いいよね、いいよね、雲の上・・・ボクも、行ってみたい」 でも次の瞬間、先輩は途方も無く冷たいことを! 「でもハルカ、雲って水蒸気と微小な氷の結晶で出来てるのよ?」 ・・・ボクをからかうみたいに、冷たい事・・・。 「でも良いのッ!」 「そうねぇ・・・」 ・・・そして雪乃先輩は、ボクの事ぎゅっと、抱きしめました。 寝転んだまま・・・・・・。 ボクの背中を、ちょっと乾いた草の感触が、くすぐります。 そして頬を、風が優しく撫でて。 それから・・・先輩の、ぬくもり。 なんだか夢のように幸せな、秋の休日の昼下がり。 「あーお腹減ったわ・・・ハルカ、ご飯食べましょ?」 ボクの手を優しく引いて、雪乃先輩は珍しくファミレスへ入ります。 「そういえば先輩・・・」 向かいどうしに並んだ先輩とボク。 じーっと見つめあっちゃりなんかして・・・。 なんかその後、言葉に詰まっちゃった。 そのうちにウエイトレスさんが来て、 「御注文はいかがなさいますか?」 と、聞きました。 ・・・雪乃先輩もボクも、じーっと見つめあってたからボーッとして気付かなくて! 「ちょっとまって・・・取りあえず、カルボナーラ」 ・・・あ、ずるぅい!雪乃先輩、最初ッから決めてたんだぁ!? 「じゃあボクはハンバーグと、チョコレートパフェでしょ、プリンアラモードにパンケーキ、それから、それから・・・」 ちょっと、ムキになっちゃいます。 そしたらその様子を、先輩はニヤニヤ見つめてるんです・・・・・・。 「あー、ハルカってばやっぱ可愛い☆」 そしてテーブル越し、ボクのほっぺにちゅっ! 「アーッ!やっぱ先輩ずるいです・・・!」 思わず大声出しちゃって、気が付いてから顔が真っ赤になっちゃうんだもんなぁ・・・・・・。 そしてウエイトレスさんも、ボクたち見て顔が真っ赤っか・・・・・・。 気を取りなおして、ずらりと並んだ料理を食べ始めます。 雪乃先輩は最初に頼んだカルボナーラを綺麗に食べると、今度はサラダとスープを頼んだり・・・順番、ヘン。 「先輩、ヘンですよぉ・・・」 「そうかしら?」 平然と、むしゃむしゃ。 そんなボクはハンバーグを食べちゃうと、今度は真っ先にプリン・アラモードに手を・・・うぅッ、このとろける感触が最高なんです・・・。 それからもデザートを無心に食べるボク、そして一見おしとやかに、でもいつ止めるとも知れない注文を繰り返す何気に大食漢の雪乃先輩・・・・・・。 「先輩て、結構食べますねぇ・・・?」 「ほらわたし、結構よく動いてるから」 平然と、答えられます。 「・・・確かに運動、凄いですけど」 そんなことぽややんと考えながら、ボクは無心に、デザートを食べつづけます。 ボクの様子見て、先輩が一言。 「ハルカ・・・昔お菓子の家に憧れたでしょー」 ・・・・・・うぅッ、図星です・・・。 「まぁね・・・ハルカってグレーテルって感じだもんね?」 「えぇ!?なんで妹なんですかぁ!?」 さすがにちょっと憤慨しちゃったりなんかして。でも先輩は、その後意外な一言を言いました。 「・・・だってわたしには、ハルカは黙って牢屋に閉じ込められてブクブク太っちゃうような愚かなコには見えないわ?」 にやにや。 「えっとそれは・・・あんまり悪い意味じゃ、ないのかなぁ・・・」 「誉めてるのよ?」 ちょっと不思議に思って聞いてみると、雪乃先輩はすなおに答えました。 「・・・・・・それにやっぱ、ハルカは可愛い方が似合うし・・・シンデレラだったらやっぱシンデレラよね、わぁ放浪息子みたい・・・」 ボク、食べ方下手なんですよね。 いつも気を付けてるつもりなんだけど、口の周りにクリームがいっぱい付いちゃって。 「あらあら・・・ハルカってば、ちっちゃい子供みたい」 先輩はにっこりと微笑んで、ボクの口の周りのクリームをふき取りました。 ちょっと、恥ずかしい・・・・・・。 「先輩!ボクそんな年じゃないですよ!?」 そういって、先輩からナプキンをとり、ボクは自分で口を拭きます。 でもその意地張った様子が、先輩には余計にうれしかったみたいで。 「あーら、ハルカってば妙な意地張っちゃって・・・」 ・・・コレって、妙なんでしょうか。 そして先輩はボクの一瞬の隙を付いて、口にキスします。 「・・・!?」 ビックリするボクに、キスを終えた後雪乃先輩はにやにやしながら、言いました。 「ハルカ、ずいぶんとスキだらけねぇ?」 ・・・なんだかなぁ。 ファミレスで食事を終えた後、先輩の家に行きました。 いつものように、女の子の服を着せられちゃう、着せかえ人形なボク。 でも、雪乃先輩の様子は、ちょっとだけ違っていました。 「う〜ん・・・ああでもない、かと言ってコレは・・・」 珍しく、悩んでます。 なんか、前に雪乃先輩の同窓会に行ったときを、思いだしちゃう・・・あのときも、なににしようどれにしようって、悩んでた。 最近は、「今日はハルカにこれ着てもらうから!」って、感じだったから・・・・・・。 思わず、たずねます。 「先輩・・・今日は何か、企んでますね・・・?」 でも雪乃先輩はボクの言葉を無視して、今度はおっきなリボンを取りだしました。 「・・・まいなちゃんの趣味っぽくなってきた」 ・・・ふりふりでひらひらな、少女趣味の服・・・。 そして一通りボクをリボンで飾りつけると、先輩は下に降りていきました。 「あれ?どうしたんですか・・・?」 すっごい勢い。 ・・・下からは、雪乃先輩がお父さんとお母さんを呼ぶ声。 そして三人、部屋に入ります。 「ねぇ、お母さん、お父さん・・・どうかしら?ハルカ」 先輩とご両親は、ボクをまじまじ見つめます。 到底男の子がするカッコじゃない、ひらひらとしたカッコ・・・・・・。 それをみて、先輩のお母さんが喜びました。 「まぁ遙君!可愛いじゃない・・・素敵よ、こんな可愛い子見た事無いわ?」 「でしょ?」 得意げな、雪乃先輩・・・。 とろけそうな表情の先輩に、なんかドキドキしてきた・・・。 そして、お父さんは。 「なるほど、雪乃がお嫁さんにしたいって言うのもうなずけるな・・・」 お、お嫁さんッ!? 「せ、先輩!?」 「あ、お父さんってば言わないって言ったのにィ・・・・・・」 ボクの大きな声にかまわず、というよりかまう暇も無く、先輩は凄く恥ずかしそうな顔で、ぷいっとそっぽを向きました。 ・・・結構子供っぽいところあるんですよね、雪乃先輩。 普段の学校では想像もつかないくらい・・・。 お父さんを、ぽかぽかし始めました。 「わ、雪乃・・・悪かったよ」 ちょっとばかりバツの悪そうな、お父さん。 なんかこの様子を見てると、顔がほころんできちゃいます。 「あっ、ハルカ・・・なにがおかしいの!?」 「だって先輩ってば、可愛いんだもん・・・」 アーッ!先輩のカオ、真っ赤になってる・・・・・・。 「なによ・・・可愛いのは、キミの方じゃない」 そう言って、ボクの事、ぎゅっとします。 まったく・・・ドキドキしちゃう。ましてや先輩のご両親の前ですよ!? 二人顔を真っ赤にしながら抱き合う様子を、ご両親はにっこりと、見つめています。 「まぁ・・・雪乃ったら・・・」 お母さんが、とってもうれしそうに。 「ずいぶんと素敵な恋人、見つけたのね・・・」 「そうだなぁ、コイツぁ結婚式が楽しみだ!」 お父さん、とっても得意げに、言いました。 「お、おじさん!?まだ気が早過ぎますよ!ボクたち高校生だし、それに・・・・・・」 先輩のお父さんの言葉に、胸を撃たれたみたいに心臓が高鳴り始めます。 うわぁ、なんか気が遠くなってくる・・・。 「遙君、ずいぶん他人行儀じゃないか?おじさんだなんて・・・俺のことは『お父さん』で良いんだぞ?」 「そうよ?ハルカ、キミの事はお父さんもお母さんもOKだって言ってるんだから・・・」 え?えぇッ!? まったく、みんなしてなに言ってるんだよぅ!? なんて家族なんでしょうね、まったくぅ・・・・・・。 そういえば雪乃先輩がボクを女装させてる事、先輩のお父さんもお母さんも全然おかまい無し・・・って言うか、むしろ一緒になって喜んでるんですよね。 なんて家族なんでしょう、堀江家は!! 「・・・先輩、なんでわざわざご両親まで?」 気になって、聞きました。 普段はあまり、ボクを飾り立ててお父さんとお母さんに見せる事なんて、無かったから・・・。 雪乃先輩は、にっこり笑って言います。 「実はね、お友達を呼んで夕食会を開こうと思ってるのよ・・・」 ・・・夕食会? 「そうそう、雪乃がお友達と、普段出来ないような話を聞きたいってなぁ・・・」 ボーゼンとするボクに、先輩のお父さんが言いました。 でも、なんか理由になってません・・・・・・。 「でも、ボクのこのカッコと、なんの関係が・・・」 ヘンだ、と思いながら聞くと、雪乃先輩もヘンな顔で、答えます。 「え?分からないかしら・・・?」 ・・・なんだろう・・・。 「当然、キミには毎日参加してもらうんだから!」 えぇっ!? 「せ、先輩・・・聞いてないですよ!?」 「当然じゃない、今話したんだから。こう言う事するんだから、ハルカは一緒よ。当たり前でしょ?」 ・・・そう言われて、なんかうれしかった。 そのうち照れて、赤くなってきちゃって・・・・・・。 そんなボクを、雪乃先輩はやさしく撫でながら、言います。 「だからよろしくね?遙クン☆」 『第一夜:マキト兄さんどーしたの?』 ふわふわのドレスのままで、ちょっとボーゼンと戸惑うボクに、雪乃先輩は唐突に献立表らしきものを広げました。 「ジャーンッ☆もう日程決めちゃったんだ・・・」 そこには、月曜日からの予定がびっしりと書き込まれています。 月曜日:明日香先輩 火曜日:まいなちゃん 水曜日:大鳥先輩 木曜日:隼人君と和樹君 金曜日:六条先輩 「・・・コレって・・・」 「そう、日程・・・」 既に先輩は、日程を組んでしまったらしいのです・・・更に、献立も。 「それにしても細かいですね・・・さすが先輩」 やっぱり先輩って、手際いい。 「まぁ今夜は予行と言う事で・・・じゃあハルカ、そろそろご飯にしましょ?」 え、今日も決まってたの!? 「今日はねー・・・もう作ってあるんだ、カレー。それもハルカの好みで甘口に作ったのよ?チャツネとかヨーグルトいっぱい入れて、まろやかな・・・」 ・・・先輩、ボクの好物もわかってるんだ・・・・・・。 ちょっと、うれしくなってきちゃった。 「ほ、ホントですか!?楽しみィ・・・」 にっこりと笑顔で、ボクは答えました。 スカートの裾を踏まないように、慎重にボクは階段を降ります。 でも最後の段で、バランス崩しちゃって・・・。 「ハルカ、」 そっと、ボクの手を取って、支える先輩。 「あ・・・先輩・・・」 ぽふりと、先輩はボクの頭に手を乗せました。 「気を付けなさいね?」 にっこりと、笑顔と一緒に。 「・・・・・・うん」 この、ふとしたことで、なんかドキドキしてきちゃった・・・・・・。 みんなテーブルに着きます。 テーブルクロスが掛けられ、花まで真ん中に飾ってある。なんか凄く本格的な気が・・・・・・。 「ほら、準備は念入りにって言うじゃない?だから少し頑張ってみちゃった♪」 雪乃先輩は、お茶目に笑います。 「ほぉ雪乃、なかなかやるじゃないか」 先輩のお父さん、目じりを下げて言います。 でも、一方お母さんは。 「まだまだね・・・ほら、お花のバランスが悪いわ?」 なぁんて。 「あら、コレはコレでいいのよ・・・」 ちょっと不満そうな、雪乃先輩。 すると突然、玄関の方からばたばたと、足音が。 「ただいまーッ!!おぉハルカじゃん・・・また今日はすっげえカッコ」 マキトさんでした。 「あら兄さん・・・今日は帰ってこないんじゃなかったの?」 マキトさんの顔を見るなり、とっても冷たい言葉を浴びせる雪乃先輩・・・。 「先輩ちょっと冷たすぎるよぅ・・・マキトさんこんばんはー」 「そうだよなぁ、雪乃ぉ〜そんな冷たい事言わないでくれよ・・・そうだ、今日はゴメンコブ付きなんだよな・・・」 マキトさんがそういうと、ドアが勢い良く開きます。 「どもどもーっ☆ナオでーっす♪おぉそこの美少女は雪乃ちゃんだね?マキトから聞いてるよーッ」 突然やってきたのは、長身で長い髪の、美人さん。 バイクに乗るカッコしてる・・・マキトさんのバイク仲間なのかな?それにしても、すっごいハイテンション!! そしてボクを見るなり。 「あ、こっちのコは雪乃ちゃんの妹さん?かわいいわねー・・・」 なんて、突然ボクの頭を撫で始めるんです・・・・・・。 「あー、驚くかも知んないけどコイツはハルカって言って、雪乃の彼氏・・・」 マキトさんが、ナオさんと言う美人さんに言います。 すると、ナオさんはオーバーリアクションで。 「エェッ!?じゃあこのコ・・・ずいぶん可愛いロリだなぁと思ったら」 ボクの頭を撫でるのは、止めません。 マキトさん、真顔できっぱり言います。 「あぁ、女装ショタ」 ・・・・・・あぅっ。 「もぅっ!二人してボクの事子供扱いするの止めてください!ボクもう15ですよ!?」 ちょっと、さすがにムキになっちゃいます。 すると、ナオさん更にビックリして。 「え・・・・・・ちょっとゴメン、キミ高校生なの?」 まさに唖然、という表情・・・・・・。 「あーあーお二人さん?」 突然、雪乃先輩が割って入ります。 「二人してわたしのハルカをいじめるの、止めてくれないかなぁ・・・特にナオさんって言いました?ちょっと失礼すぎます!」 ・・・珍しく、ムキになってる。 「・・・ハルカ、結構気にしてるんだから・・・・・・」 「でもそのハルカを女装させてるのは、ほかならぬ雪乃なんだけどなぁ?」 ふとつぶやいた先輩に、マキトさんがにやにやして言いました。 う〜ん、確かにそうなんだけど・・・・・・。 ボクは思わず、先輩に抱きついて言いました。 「良いんですよ!ボクは先輩の事がスキなんだからぁ・・・・・・」 先輩、突然の事にビックリして、顔赤くしてます!かわいいなぁ・・・。 「ちょっと、ハルカったら・・・・・・」 「ひゅーひゅー、熱いねお二人さん!でも女の子同士にしか見えなくて・・・ちょっと、ドキドキしちゃう?」 ナオさんが、冷やかします。ボクまで顔が赤くなっちゃうじゃないかぁ!! 「ナオ、いじめるのはその辺にしろよ・・・ってか帰れよオマエ・・・」 マキトさんも、呆れてます。 それにしてもナオさん・・・モデルみたいなルックスに反して、ホントに子供みたいな人!! 「まぁまぁ牧人君にお友達も、せっかくだから食事、どうだい」 雪乃先輩のお父さんが、言いました。 先輩はこの上なく不満そうな顔で、つぶやきます。 「あー・・・折角のハルカと家族での食事だったのにィ」 「あら良いじゃない、にぎやかな方が」 先輩のお母さんは、にっこりと諭すように言います。 「そうじゃなくって・・・」 先輩が言いかけたとき、マキトさんとナオさんは勝手にカレーをよそっています。 「お、今日はカレーかぁ・・・」 「へぇ、美味しそうな匂い。雪乃ちゃんが作ったの?」 ・・・あーあ、先輩すっごく不機嫌そうな顔してる。 「先輩、いいじゃないですか・・・今日は一緒に食べましょ?」 ボクは先輩に笑顔になって欲しいから、そういってほっぺにちゅっ、とキスをしました。 すると、ようやく微笑んで。 「まぁ・・・今夜は、ハルカに免じて」 そして、みんなようやく席に付きます。 「じゃ、いっただきまーす!!」 マキトさんが口火を切って。ホント、マキトさんも大人げ無いんだからぁ・・・・・・。 ・・・カレーを口にするなり、マキトさんとナオさんは口をそろえて、 「あっ、甘めぇ〜!!!」 と、叫びました。 ボクにはちょうどいいんだけどな・・・美味しい♪ 「当然じゃない、だってハルカの好みに合わせたんだもの。マキト兄さんなんていつもヘンなもの食べてるし、そりゃあ当然よ?」 呆れた口調で、雪乃先輩は言います。 でも、不服そうなマキトさん。 「でもいくらなんでもコレは・・・・・・ヤバイ、カレーじゃない」 すると、雪乃先輩はちょっとニヤニヤしながら。 「まぁ、ハルカに合わせたから・・・確かに、そうかもしれないわね?」 えぇ!?それってどういう意味ですか!? そんなこと考えながらもやもやした気分。なんだかなぁ・・・・・・。 「そうだ、牧人君今日は何やってたんだ?ナオさんの格好から察するに、サーキットでも行ってた?」 先輩のお父さんが、マキトさんにたずねました。 「えぇ、今日はちょっと走行会。ナオがうるさくって・・・」 「でも、楽しかったでしょう?」 ナオさんに無理やり連れられた、という口ぶりにちょっと憤慨してます。 マキトさんは平然と、返しました。 「う〜ん・・・やっぱオレ、公道じゃないとダメだ」 「えぇ、あんなに絶好調だったのに!?」 ナオさん、ビックリ。 「だってマキト、今日のベストラップだったのよ・・・」 「でもやっぱつまんねーよ」 マキトさんはちょっとクールに、返しました。 「牧人君凄いじゃないか・・・だってあのカタナ、ホイールだって換えてないんだろう?」 お父さんがビックリしてます。分かんないけど、なんだか凄いみたい。 「まぁ、ニトロ積んでますからね・・・・・・ムダ使いしちまった」 そういうと、マキトさんはまた大きな口に、カレーを運びます。 それにしても・・・今さらりと、凄い事言いませんでしたか!? 「え!?ニトロ・・・って、あの爆薬!?そんなの積んで危なく無いんですか!?」 ビックリしちゃって! 「いや、ニトロって言ってもニトログリセリンじゃないぜ?笑気ってしらねぇ?あの麻酔の・・・」 「違うんですか?」 ほへー、知らない事いっぱい・・・・・・。 ・・・笑気?笑気って・・・亜酸化窒素? 「・・・マキトさん」 「え?」 気の抜けた声で言う、マキトさん。 「・・・亜酸化窒素って、京都議定書で排出規制かかってるんですよ!?そんなの使ってるんですか!!もっと環境の事考えてください!!!!」 ・・・ちょっと熱くなっちゃった・・・。 でもマキトさん、憮然として。 「関係ねーよ、第一京都議定書は努力義務みたいなもんだし、そもそも亜酸化窒素が規制されてるって言っても計算は結局CO2換算、温室効果ガスの総量規制なんだぜ?」 ・・・うぅッ。 「兄さん、まったく・・・・・・」 あ、先輩の援護射撃。 「ハルカが言いたいのは規制うんぬんじゃなくて、環境に対する姿勢そのものだと思うんだけど?」 ぴしゃりと、言います。 「まず第一にタバコ止めてよ・・・特に兄さんの吸ってるガラムっていうの?アレ、臭いんだから・・・・・・」 うわ、身近な環境問題! 「なんだよ、雪乃までオレを責めるのかぁ?」 痛いトコ付かれて、さすがのマキトさんもたじたじ・・・・・・。 「おぉ、可哀想に・・・」 ・・・でもナオさんは、マキトさんの頭を撫でて、慰めます。 なんか、夫婦みたい? 「しっかしサーキットね・・・俺も行きたいんだけど、最近は時間が無くてね。折角のドゥカティが可哀想だよ」 雪乃先輩のお父さんは最近忙しいみたい。 真っ赤なイタリア製のバイクも、最近はいつもガレージに停まったまんまです。 「アレじゃなぁ・・・あのバイクは雪乃の嫁入り道具に持たせようと思ってるんだが・・・」 お父さんが、顎をさすりながら言いました。 雪乃先輩はヘンな顔で、 「お父さん・・・わたし、バイクなんて乗る気無いから」 と、冷たく言います。 「エェーッ!?」 先輩のお父さんとマキトさん、それにナオさんも一緒になって。 「バイクは楽しいぞ?」 「何言ってるのよ、兄さんやお父さん見ててもただ危ないだけじゃない・・・みんなして、漫画の主人公にでもなったつもり?」 笑顔で諭すお父さんに、厳しい視線で言う先輩。 まぁ、確かに・・・・・・。 「・・・なぁハルカ、雪乃ってば、前に親父さんがドゥカティ乗せた事があったんだけど凄かったぜ?生まれて初めてバイクに乗ったってぇのにバーンナウトでスタートしてタイヤがグリップした途端高々とウィリー、そして仕舞いにはジャックナイフでぐるりと180度回転してるんだぜ?ドゥカティでエクストリームなんて聞いたこと無いぜ・・・」 「それなんて天才?」 アレ、いつの間にかナオさん、先輩の隣に・・・・・・。 「ねぇねぇ雪乃ちゃん!私のR1貸すからちょっと見せてよ!!」 子供のように目をキラキラさせながら、ナオさんは雪乃先輩に言います。 ムスぅッとしてる、先輩。 「さっきも言った通り、わたしバイクなんて乗る気無いから・・・そもそも免許だって持ってないのに」 そう不機嫌に言って、カレーをパクリ。 その様子をぽやーんと見ながら、ボクはカレーをパクパク食べます。 「・・・しっかし」 ナオさんが、隣同士の先輩とボクを見つめます。 「・・・・・・なんかハルカちゃんの方が、女の子みたい」 「えっ!?なに言ってるんですかぁ・・・・・・」 確かに先輩は男勝りを通り越してなんか凄すぎるけど、だからってボクが女のコみたいってぇ・・・。 ボクの頭を撫でるナオさんが、なんか恨めしいです。 その様子を見るなり、先輩はムキになって、ボクを抱き寄せます。 「もうっ!わたしのハルカにちょっかい出さないで・・・・・・」 ボーゼンと、引き寄せられるボク。 なんだか、良く分かんないよ・・・・・・。 するとナオさん、とんでもない事を! 「じゃあ私のR1に乗ってくれない?」 そういうと、ナオさんはボクのほっぺにキス!! 「ちょっと!止めてください!!」 思わずボクは、金切り声で叫んでしまいました。 だって、なんかイヤだったから・・・・・・。 「こらこらナオさん、人のお嫁さんにちょっかい出すもんじゃないぞ?」 その様子に、先輩のお父さんは冷静に茶々を入れるんです。 「お、お嫁さん・・・あー、ゴメンなさい・・・そっか、雪乃ちゃんのお父さんでしたか」 意に介さぬような、ナオさんの言葉。 「ハルカ・・・」 ちょっとイヤーな気分のボクを、先輩は優しくなでました。 「・・・ナオ、テメェ・・・」 ・・・なんかマキトさん、一気に不機嫌に。 そして勢い良くカレーを平らげると、急にジャケットを羽織って、ドアの前へ。 「なに、マキト?」 ナオさんがボーゼンと、たずねると。 「オマエなぁ・・・嫁入り前の娘がそんなことばっかしてていいと思ってんのかよ!!呆れたよホント」 珍しい、本気で怒ってる・・・。 「それにナオも雪乃も、ちょっとハルカに無神経すぎるぞ?コイツだって、年頃の男の子・・・ってヤツなんだからな」 ・・・ボクの事、気遣ってくれたみたい。 とっても不器用だけど、ちょっとうれしかった。 「じゃあハルカ、わりぃな・・・バカばっかでさ、オレも含めて。ま、オレは一応オマエの兄貴分みたいなもんだから、困ったら言ってくれよ?」 なぁんて、珍しくお茶目にウィンク。 うれしくて、ボクはこくりと、うなずきました。 その様子を、ブーっと見つめる雪乃先輩。 「わたしがいつ無神経だったのよ・・・」 「い つ も」 ・・・先輩ってば、ボクに胸をぐりぐり押しつける格好なんですよ!?まったく、なんでこうホンット、困っちゃうんだから・・・・・・。 まぁた顔が熱い・・・。 「とりあえず少年のピュアなハートを弄ぶクセは止めろぉ?じゃ、オレ流してくるわ」 そう言って、マキトさんはカタナのキーを振りまわしながら、出かけていきます。 「・・・あ、マキト待ってよー!!」 急いで口いっぱいにカレーをほおばると、水で流し込んでから、 「ごちそうさまでした!じゃあ雪乃ちゃん、またね☆」 とだけ言って、ナオさんもマキトさんを追って、出ていきました。 取り残されたボク達、ボーゼン。 二人が出ていってからしばらくして、ちょっと決まりが悪そうに、先輩がボクに言いました。 「・・・ハルカ、ゴメン」 別に、イヤだとは思わないんですけど・・・なんか、困っちゃうんだよなぁ・・・・・・。 「いつもメーワク、かな・・・?」 ボクは首を横に振ったけど、顔は真っ赤になっちゃって。 そして、うめくような声で、言いました。 「でもやっぱり、ちょっと恥ずかしい、かな。それに・・・・・・」 「それに?」 純粋な視線で、ボクの瞳をジィっと覗きこむ、雪乃先輩。 ボクは一層顔を赤くしながら、言っちゃいました。 「・・・ボクには、刺激が強すぎるよぅ・・・だって先輩てば、胸」 先輩は自分の胸を見ながら、ぼんやりしてましたが、口を開いて。 「・・・やっぱちっちゃいかなぁ・・・・・・」 その言葉に、ボクはあせっちゃった!! 「そ、そういう意味じゃなくて!だって先輩ってばボクにぐりぐり押しつけちゃってるし、それに、それにぃぃぃ・・・」 うわぁぁ、もうパニックになっちゃうよ! そんな、どうしようもなくなっちゃったボクを見て、先輩は冷静につぶやきました。 「・・・そっか、マキト兄さんが言ってたのって・・・」 そして、先輩はボクのほっぺに手を押しつけます。 ちょっと、冷たい・・・・・・。 「ハルカ、ごめんね?やっぱやりすぎなのかな・・・・・・」 優しく、言いました。 ボクはちょっとうつむき加減で、 「ごめんなさい、ちょっと控えめにお願いします・・・」 とだけ、言いました。 その様子を、にやにやと見つめる、先輩のご両親。 「ウフフ、なんか夫婦みたいかしら?」 「いや、若い彼氏彼女って感じだろう・・・俺たちも昔は、ああだったなぁ」 「あら、私はああだったかしら?」 「いや、そういう意味じゃなくて・・・・・・」 なぁんて、ラブラブな雰囲気になってきます。 ・・・ボクはなんか、疲れちゃった。 「先輩、ちょっとベランダに行ってきて良いですか?」 身体まで熱くなっちゃったから、夜風に吹かれたくなりました。 「いいけど・・・わたしは、付いてかない方がいいよね?」 雪乃先輩は優しい笑顔で、気遣ってくれます。 「・・・ごめんなさい」 その好意に甘えて、ちょっと申し訳無いなぁ・・・と思いながら、ボクは一人2階に向かいました。 ・・・先輩と一緒にいるとうれしいし、楽しいんだけど・・・なんか、疲れちゃいます、時々。 ベランダから見た夜空は、ひさしぶりにとてもキレイでした・・・ここ数日、雨が続いてたから。 ふと下に目をやると、ナオさんとマキトさんが、バイクのアイドリング中に話中。 「・・・ナオ、オマエなぁ・・・」 呆れたような、マキトさん。 「なぁに?」 「ホンットオマエバカ」 くりくりとした目で見つめるナオさんに、マキトさんはキッツい一言。 「バカとは何よ!」 「大体免許無いヤツに自分の怪物バイク乗せようとするわ人の彼氏にキスするわ・・・見そこなったよ」 「何よ、マキトだって・・・・・・」 うわ、大声でケンカ始めちゃった・・・・・・。 「マキトだっていつもバカみたいで、折角誘ったのになにあの言い方!もう二度と誘わないわ!?」 「あぁ良いさ!別にオレだって行きたくていったわけじゃないしな!!」 「うわ、ホンットムカツク・・・もう少し言い方ってモンがあるじゃない!!」 「バカに何言ったってムダだろ?」 すっごいケンカだけど・・・夫婦ゲンカって感じぃ。 そしてマキトさんは呆れたように、空を扇いで言いました。 「ドイツもコイツもよぉ・・・ハルカのこと気づかってやれってんだよ、無神経にもほどがある・・・・・・」 ・・・でもマキトさんも結構無神経だけど。 そしてマキトさんはナオさんの悪口を無視してヘルメットをかぶると、バイクにまたがり走りだしました。 「あ、マキト待ってよー!!」 慌てて続く、ナオさん。 ナオさんはいきなりアクセル全開です・・・大丈夫なのかなぁ。 そして二人は、爆音となって遥か遠くへ、ワープしていきました。 それにしても。 本当にマキトさんて、雪乃先輩に、恋してるのかなぁ・・・・・・? どう考えても、やっぱり『妹を見守るお兄さんの視線』って、感じなんだけど・・・・・・。 それに、ナオさんはどうみてもマキトさんの事、スキみたい。 あの二人、良いカップルになりそうなんだけどなぁ・・・・・・。 夜風で良い感じに身体を冷ましました。 ちょっとふらふらと降りると、先輩がにっこりと、待っています。 「落ちついたかしら?」 ボクはこくりとうなずきます。 「そう、良かったわ・・・今日はハルカのためにデザート作ってたのよ?マキト兄さんたちとっとと行っちゃったけど・・・もったいないわねー?」 そしてテーブルに戻ると、美味しそうなケーキ!! 生クリームいっぱいで、イチゴがトッピングされた、あまぁいケーキです・・・・・・。 「あ、ハルカったらぁ・・・よだれ」 「ハッ!?」 ビックリしちゃって、ボーッとしてたよぅ・・・恥ずかしい。 先輩は昼間みたいに、ハンカチでボクの口を拭きます。 「んっ・・・もう、子供じゃないってばぁ!」 うぅ、恥ずかしい・・・。 でもその様子を、お父さんはこう言いました。 「いやいや、新婚さんみたいだぞ?『あら貴方、おべんと付いてる』ってノリでなぁ・・・」 その一言に、思わず顔を見合わせちゃった! 「まーぁハルカ、新婚さんだってぇ・・・お父さんに言われちゃった」 ・・・そんな事言うなんて・・・・・・ドキドキしちゃうじゃないかぁ・・・また・・・。 折角、クールダウンしてきたのにぃ。 「でも、なんかうれしいです・・・」 そして先輩に、キスしちゃった!! 「ハハハ、遙君雪乃をよろしくな!」 ・・・なんか、堀江家公認みたいです。先輩とボクの関係て。 一層、照れ臭いです・・・!! ケーキをほおばった。 その様子を、堀江家の面々がなんか妙ににやにやと、見つめます。 ・・・うわぁ、甘くて美味しい・・・・・・。 「・・・これが、恋の味なのかなぁ?」 するとみんな大喜びで! 「ちょっと遙君、その台詞ロマンティックすぎやしないか?しっかし遙君ケーキが似合いすぎる・・・・・・」 「お父さん、ハルカってばケーキ作るの上手なのよ?ちょっと、甘すぎるけど・・・」 「まぁ、男の子なのに料理スキって珍しいわ?今度一緒にお料理しない?」 わわ、なんかいきなり引っ張りだこの気分・・・。 なんかだんだん話がこんがらがっちゃって来るけど、かまわずボクはケーキに夢中。 すると、先輩が突然、ボクのほっぺたをペロリ、となめました!? 「うわ、先輩突然何するんですかぁ・・・・・・」 先輩の顔を見ると、この上なく幸せそうな顔して! 「ハルカくぅん、ほっぺたにおやつが付いてるぞッ☆」 うはぁ・・・なんか一気に身体の力が、抜けてきちゃったぁ・・・・・・。 そして先輩は、耳元でこっそり、囁くんです。 「ハルカ・・・愛してるよ?My sweet sweet melty Darling・・・・・・」 うわ、もう先輩ったらぁ・・・・・・。 こんなこと言われたら、ボク、ボクぅ・・・・・・。 抱きついて、キスしちゃうしか無いじゃないですか!!!! あぁ、なんかとても幸せで、幸せすぎて、死んじゃいそう。 でもこんな日がコレから一週間も続くのかぁ・・・・・・。 ボク、ホントに大丈夫なのぉ!?ドキドキのしすぎで死んじゃうよぉ!!! 『幕間:眠れません!!』 あのドキドキするようなお食事の後、ほんっとうにボクは寝つけなくなっちゃって。 一晩中、先輩の事考えながらドキドキしっぱなし。 そしたらなんか、疲れちゃって。 「おはよーっ!・・・あれ、ハルカ?」 元気良く挨拶する先輩に、ボクは寝ぼけ眼こすりこすり、答えます。 「おふぁよぅごじゃいます・・・ぅ」 その様子に先輩は呆れて、 「あらあら・・・ハルカってば、大丈夫?」 んー、とうめくようなボクの肩を担ぎながら、先輩はちょっとうれしそうに歩きます。 「あら、雪乃と遙君。今日も・・・って、遙君大丈夫?」 明日香先輩が、ボクたちに声をかけました。 寝不足のせいかぐったりしてるボクを見て、心配そう・・・。 「おはよ。ハルカってばちょっと、疲れちゃってるみたい」 雪乃先輩は平然と、ボクを担ぐようにしたまま挨拶。 ちょっと、ボーッとしちゃった・・・・・・。 「明日香先輩、おはよーございますぅ・・・」 うぅ、眠いなぁ・・・。 そんなぽやーんとしたボクの顔を、うれしそうに見つめる明日香先輩。 「遙君、ちっちゃな子供みたい・・・」 その言葉に反応して、雪乃先輩も。 「でしょ?可愛いよね・・・・・・」 その表情が、妙にうっとりとしていて・・・・・・。 お昼休みの屋上。 今日はボクと雪乃先輩と明日香先輩、三人だけです。 でも相変わらず眠くって・・・今日は天気がいいから、なおさら。 お弁当を持ちながら、うつらうつら。 「ハルカってば・・・大丈夫?」 雪乃先輩が、少し心配そうに声をかけました。 「本当にどうしちゃったの?」 「昨日・・・眠れなかったのぅ・・・」 意識が朦朧としながら、やっとこさ答えます。 「・・・昨日、雪乃となにかあったの?」 明日香先輩が興味津々って顔してたずねます。 雪乃先輩は、ボクをぎゅっとしながら。 「ほら、教室で言ったじゃない・・・あの後ハルカ、寝れなかったの?」 ・・・ボクはこっくりと、うなずきました。 「だって・・・先輩の事考えてたら、ドキドキしちゃって・・・うにゅ・・・」 ・・・その言葉に、明日香先輩ニヤニヤ。 「え?昨日の夜何があったの?気になるなぁ・・・」 「な、何ッ!?べ、別にヘンな事とか、そう言うんじゃないんだから・・・・・・」 雪乃先輩、ちょっとムキになって答えました。 慌てた様子が、珍しいかも。 ボクは先輩にくっついて、 「そうですよ・・・先輩のお家でご飯食べただけ・・・・・・」 と、ちょっと寝ぼけながら言っちゃった。 「おぉ、夕ご飯・・・いいわねー、仲良しで」 明日香先輩、うらやましそうでした。 「そういえば・・・今夜」 ふっと、思いだした。 今週は毎日先輩のお家で晩ご飯です。 「今夜、明日香先輩は来られそうなんですか?」 「うん、大丈夫・・・って、遙君?」 ・・・先輩のお家で、というのは聞いていたみたいですけど、どうもボクも一緒とは知らなかったみたい? 「アレ、ハルカも一緒って言わなかった?」 「言ってない・・・そうなんだ・・・・・・」 ・・・明日香先輩、くっついてる雪乃先輩とボクをみて、ニヤニヤ。 「すっかり夫婦みたい☆」 「でしょ?」 そういうと雪乃先輩は、一層ボクの事ぎゅっとしました。 ・・・明日香先輩の言葉と雪乃先輩に抱きしめられた事で、なんかすっごいドキドキしちゃう・・・・・・。 「あ、ハルカ真っ赤・・・」 「雪乃がぎゅっとしてるからじゃない?」 「違うわよ、明日香がヘンな事言うから・・・・・・ハルカぁ〜」 『堀江家の食卓』あ・と・が・き♪ えっと、伊藤家の食卓とはまったく関係無いってか俺いい加減伊藤家も見てねえwwww それはともかく、ちょっと変わった事したくてこんなの始めてみた。 でもコレって結局、普段の先ボクよりも一層甘々になるってことなんですけどね・・・・・・。 ちょっとおかしな雪乃さんとその家族と、一応普通な遙君の、面白おかしい食事会を目指してみますよっと。 でもやっぱ俺文章下手だよなぁ・・・精進せねば。ねぇ? 『始まり・・・ふと、思い立った。』 いつも雪乃先輩は唐突なのです。 何を思ったのか、コイツの考えはとんと作者の俺にもわからねぇ。まぁそれが、書いてておもしろいっちゃあおもしろいんだけどね。 で、この話は一応一週間の流れを書く予定です。 1日目はマキトとナオ、2日目は明日香さん、3日目はまいなちゃん、4日目は大鳥君。5日目は仁科と秋山のエロエロコンビ(雪乃曰くハードゲイコンビwwww)、最終日にはライバルの六条お嬢様・・・・・・。 え?一週間に足りない?タイトル見返してごらんなさい、分かる人にはわかっちまうじゃねえかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 『第一夜:マキト兄さんどーしたの?』 イントロからなだれこんでこの展開。 実は、作者の俺のお気に入りの一人なんですよ、マキトって。でも全然話に上がらないんですよねぇ・・・何考えてるか分からない変態アンちゃん、最高wwww なぜかNOSの話から京都議定書に話が及ぶ辺り、正直俺はバカだと思うよ。ハルカって環境マニア? それと、前回のショートストーリーにチラッと出てきたナオさん。ヤマハワークスのストロボカラーYZF-R1SPを駆り、でもかぶるヘルメットは故:加藤大冶郎レプリカント(しかも目が血走ってる方)と言う。そしてモデル体型で性格はアフォ。 そういえば、初期の設定では雪乃もモデル体型だったのですよ?俺の絵からは想像も付かんなwwwwwwwwwwwwwwwwwwww まぁコイツらもちょくちょく出てきますよ、特に俺版退魔編では堀江家の裏設定を一部放出するつもりなんで、肝心なキャラなんですよ・・・。そういえばマキトって、小説より先に落書き漫画が出来てるんだよなwwww そしてコイツらバカコンビが居なくなった後はこの上なく甘々な。書いてる俺が恥ずか死ぬってーのwwwwwwwwwwwwwwwwww でもまぁ、コレが先ボクなんで、一応。久しぶりにここまでな話を書いちまったよ!!