「先輩とボク」その2. 14.の続き?ねーーーよwwwwwww嘘ですが。 ショートモノと長めので分けて再構築するかな。 15. 先輩もボクも、一人っ子です。 だから一人部屋で寝ています。 夜の暗闇はさみしいです。先輩もさみしいんじゃないかな、そんな事思ってみたり・・・・・・。 その日ボクは、お気に入りの創作系サイトに自作の詩をアップロードしました。 ボクはファンタジー系の詩を書くのが好きで、いつのまにかここの常連になっていました。投稿した詩が誉められたりすると、なんかうれしくてこそばゆい気分。 今日もすぐにレスポンスが有りました。 「Halさん、あなたの詩いつも素敵ですね。私もそんな風に書けたら良いのに・・・」 常連さんからのうれしい返答です。けれど、正直自分の詩は下手だと思っているし、ちょっと複雑です。 ボクはおやすみなさいの挨拶を書き込んで、PCを終了させました。 一人きりの部屋に響いていたファンの音が消え、ぼんやりとしたスタンドライトの光だけが部屋に広がります。 切ない空間。 ボクはライトを消してベッドに入りました。そして、瞳を閉じます・・・。 なぜだろう・・・妙なもやもやが胸に広がって眠れません。 思わず布団を丸めてぎゅっ、と抱きしめます。 それでももやもやは取れなくて。 「コンコン」 突然、窓を叩く音が響きました。 ビックリして、不審者かなぁと恐る恐る近づくと、そこには寝巻き姿の先輩が悪戯っぽく笑って手を振っているのです。 「先輩!どうしたんですかぁ!?」 「ハハハ、ちょっと人恋しくなっちゃって、てね?」 とりあえず中に入ってもらうことにしました。先輩は屋根を登ってきたみたいです。凄いなぁ、と感心しちゃいました。 スタンドライトを付けました。ぼんやりした光が、ボクたちの影絵を作ります。 「こっそり抜けてきちゃった」 無邪気に笑います。 ちょっとむずかゆい思いを抱えながら、ボクは下に降ります。 「寒かったですよね・・・いま何かあったかい飲み物持ってきます」 「・・・じゃあ、紅茶が良いなぁ・・・」 ティーポットと、魔法びんと、ティーカップを持って来て、紅茶を入れます。 「遙クン、紅茶入れるの上手いね〜」 「そ、そうですか?ありがとうございます・・・」 今まで言われたことなかったので、少し照れちゃいました。 「はぁ〜、身体があったまる・・・そうだ遙クン、やっぱりあなたも眠れなかった?」 先輩がボクの目を覗きます。 妙に真剣です。 そういえば、なんでこんな夜遅くに、それもこっそり来るんだろう・・・。 「は、ハイ・・・なんか、さみしくて」 「あ〜、私とおんなじ」 なんだかうれしそう。 「わたしも一人部屋だから、電気消すとしーんと静まり返っちゃって。ちょっと怖いよねー・・・それでベランダに出て月光浴とかするんだけど」 あるある。 「・・・月を見ると、なんだか悲しいの・・・・・・」 先輩の悲しそうな表情、あまり見たことはないけれど。 なにか、辛いことが有ったのでしょうか? 見ていてボクまで辛くなってきます。 「・・・なんでだろ?」 突然の問いかけに、きょとんとしてしまいます。 「あ、その顔間抜け〜。遙クン可愛い〜」 我に帰ると先輩はボクの頭をグリグリ撫でまわしてます・・・ちょっと、恥ずかしいよぅ。 「う〜ん、やっぱこれよこれ。さみしいときは、ね・・・」 またさみしそうな、悲しそうな横顔で。けれどその影はすぐにかき消して。 「遙クン、一緒に布団にくるまろ?」 そういうなり先輩は器用に布団の右半分にくるまってふとんむしになりました。 ボクもしずしず、くるまりました。先輩と密着して、吐息が感じられる距離・・・。 なんだか、この距離が無性に切なくなります。 切ないのに、顔が熱く、どきどきしてきます。 「こういうのって、なんか良いよね♪」 笑って問いかける先輩に、ボクは真っ赤な気まずい顔で、 「え、こんな、近くで、だだ大丈夫なんですか!?」 「遙クンかわいいんだもの〜☆」 といって、なんか抱きしめられちゃいました。うれしいけど、なんだかものすごく・・・あぁもうッ!!なんて言ったら良いんだろうこの感じ!? こんなヘンなドキドキは初めてです・・・・・・。 それから先輩とボクは二人ねそべって、他愛のない話をしてすごしました。 ときどき頭を撫でられたりして、やっぱりドキドキしどおしで・・・。 しばらくして、先輩はすっくと立ちあがり、ベランダに出ました。 「じゃあ少年ッ!今日はありがとね、付きあってくれて」 というなり、またボクを抱きしめます。 なんだか心臓が壊れそうなくらい高鳴ります。 「・・・うん、先輩」 やっとこさ声を絞りだします。 「じゃあ、また明日」 そういうと、先輩は顔をボクの顔にものすごく近づけます・・・息使いがかすかに聞こえるほど。 先輩の綺麗な目に、ボクの顔が写り込みます。 ものすごく真剣な目つきで。 怖いくらいで、でもどきどきして。 10秒くらいでしょうか?・・・でも、時間が止まったようで、もっと長かったのかもしれません。 突然、先輩はいつものやさしい目つきに戻ります。 「じゃあ遙クン、おやすみね?」 ボクはドキドキしたまま、 「は、ハイッ!おやすみなさい・・・」 と、ヘンな声で答えました。 先輩はまた、屋根を伝って降りていきます。 取り残されたみたいでした。 その夜は先輩のことと月のことと、暗闇のことと詩のことがごちゃごちゃになって眠れませんでした・・・・・・。 16. 今日は全校の講演会です。 「NEET経験者は語る〜次世代のクオリティ社会を求めて〜」ヘンなお題です。クオリティってなんなんでしょう? 今流行のニート対策に、ボクたちの高校も力を入れています。職業体験なんかもやるんだそうです。噂では、今年の職業体験は、テーマが「ものづくり」。楽しみです。 で、講演会。 正直に告白すると、ボクはこの手の講演会がとっても苦手で、いつも気が付くと眠ってしまうんです。大切な話だと、聞かなくちゃいけないとは思うのですが、睡魔に勝てないんです。 昨日のバイトの帰り、雪乃先輩に相談しました。 「ボク、いつも眠くなっちゃうんですよね・・・この手の講演会。良い方法ないですか?」 「う〜ん・・・てのひらに『人』って書いて3回飲みこむと良いみたいだけど・・・」 先輩、それは緊張したときのおまじないです・・・。 「あとは・・・赤い下着?」 !  ? 「う〜ん、困ったなぁ・・・遙クンねぼすけさんだもんね」 お恥ずかしい限りです・・・顔が赤くなるよぅ。 「あ!朝から水分は全部コーヒーで取るのは?ブラックで。どうかなぁ・・・」 「ボク、苦いの苦手で・・・」 「あ、かわいい〜やっぱそうだと思ってたんだぁ☆」 またあたまグリグリされちゃいました。なんだかなぁ。 で、きっちり苦いのに耐えて朝から水のかわりにコーヒー、お昼の牛乳のかわりにコーヒー、講演会直前にもコーヒー。コレで準備万端です。 講演会の席は何故か自由席になってました。クラスのみんなとはぐれちゃって、しかもどこも混んでいます。 途方にくれるボクに向かって、手を振ってくれる人が居ます。 「遙クンひとり〜?よかったらここ空いてるよ〜」 一番前から、雪乃先輩が手を振ってました。 先頭は嫌だったけど他には空いてません。それに先輩の隣です・・・。 結局雪乃先輩の隣に座ることにしました。 よくわからないけど先輩の横顔はうれしそうです。 ふと、ふりかえって小声で言います。 「遙クンが寝ちゃったら、つっついて起こしちゃうね☆」 ボクはまた恥ずかしくなって、小さくうなりながら顔を伏せるのでした。・・・はぁ。 照明が不意に落ち、舞台に設置されたテーブルにスポットライトが。 それまで騒がしかった周りも一気に静まり返ります。いつもと違うテンション。 流行りのニート問題だから、関心が高いのでしょうか? 長々しい校長の挨拶が終わるころには、ボクは朦朧としていました。 「遙クン、遙クン?」 かわいいひそひそ声で先輩が起こしてくれます。ほっぺたつんつん。 「うぁ」 よだれが垂れそうになってました。それをすかさず先輩が自分のハンカチで拭いてくれます。 「あぁ遙クン、だらしなぁい♪」 うぁぁ、先輩・・・可愛い声でちょっとからかわれたのが恥ずかしくて耳まで真っ赤・・・それに、自分のハンカチなのにぃ・・・。 「せ、せんぱぁい・・・」 情けない声で懇願するようにボクはうなりました。先輩はまたボクのほっぺをつつきます。 ボクのよだれを拭いたハンカチを、先輩は平然と制服のポケットにしまってしまいました・・・ヘンにどきどきします。ボクはおかしいのでしょうか? そんなことで頭がグルグルしていると、舞台に今日の講師が現れました・・・それは。 「どうもこんにちは。・・・・・・です」 名前は聞き取れません。でも顔には見覚えが有ります、あのソムリエ!! 「あぁッ!!」 「どうしたの遙クン?」 「アイツ・・・先輩の同窓会に・・・ッ!?」 「しぃぃ〜っ、話聞かなきゃ」 先輩は覚えてないんでしょうか?あの極悪非道のソムリエを・・・・・・。 「・・・はぁい」 少しすねちゃいました。 「今でもワタシ思うんです・・・『働いたら、負けだな』って。でも、それに打ち勝つ勇気が重要で・・・」 ・・・アンタの場合、犯罪行為の誘惑に負けない社会的常識が必要だってば!! 心の中で思いっきり悪態付いてました。 「遙クン、なにむくれてるの?」 先輩が心配そうに覗きこみます。 「へ?へェ?」 何がなんだか、そのときはわからなかったんです。 「うろたえてる〜、遙かわいい♪」 い、いまハルカって、名前で、呼び捨てで呼ばれちゃいましたぁ!?うわああああああああああああああああああああああああ!! そんな感じでひそひそごちゃごちゃやってたらあのめざとい偽ニート、ボクたちの方を向いて、 「そんな態度じゃ危ないんじゃないかな?井上遙クン・・・・・・?」 と、ボクたちにしか聞こえないようにささやきやがったんです!! え!?しかもボクのフルネーム知ってるしィ!!?なんでですか!!!?? もう、先輩に呼び捨てでハルカって呼ばれたのとソムリエがボクのフルネームを住基ネットかなにかで調べ腐ったという事実に愕然として、脳の中が沸騰しちゃって・・・・・・。 「あ、あァ遙クン!?」 ボク一気に熱っぽくなっちゃいました・・・・・・。 そのあとは朦朧です。 先生方が心配そうに来てくださって、先輩がボクを担いでくれたみたいで。それから・・・コレは思いだしたくないんだけれど・・・。 先輩に向かってソムリエが薄気味悪く呼びかけた気がしました。 「あぁ、大変ですねぇ・・・堀江雪乃サン?」 目覚めたのは保健室のベッドの中で、やさしい風が頬を撫でてくれていました。 横で苦笑いして先輩は座っていました。 保健室の先生が言います。 「2年の堀江さんねぇ、隣のあなたが倒れちゃったもんだから心配でずっと見守ってくれてたのよ?」 先生がにっこりと笑います。 先輩は、なぜか唇をかみしめてるみたいでした。 二人の表情をみて、ボクはものすごく悪いことをしたような気持ちがいっぱいで、申し訳なくなりました。 なみだが・・・・・・。 「あぁ、大丈夫?」 「心配しなくて良いから・・・」 ・・・・・・ごめんなさい。 いつもボクって、こうなんだ。。。 頭グチャグチャだったけど。 その刹那のドアの「ガラッ」は鋭く響きました。 入ってきたのは件のソムリエです。 雪乃先輩は開口一番、鋭くピシャリと。 「・・・帰ってください」 毅然とした口調で。でも、何かくやしさのこもった声で。 「あなたのやったことは卑怯すぎます・・・なんでハル・・・井上君をいじめるんですか!?」 ソムリエは嫌みったらしい口調で答えます・・・。 「えぇ?あなたには関係ないことですよ・・・堀江さん」 「アンタおかしいわ・・・」 ・・・先輩がおかしい。 何かに気付いたように。 保健室の先生は怪訝そうに見守ります。 「・・・ふふ、今日のところは良い、か・・・それにしても遙クン」 ボクを、見ました。 目が合う・・・。 「キミ、やっぱ女装してなくても可愛いんですね♪」 多分、先生には聞こえなかったんだけれど。 「・・・出てけぇッッッ!!!」 先輩がヒステリー気味に叫びました。 すごすごと、おずおずと、ソムリエは立ち去ります。 去り際の科白が、嫌に反響します・・・。 「今日のところは、ね・・・」 「・・・お知り合い?」 「いいえ、あんなヤツ・・・誰が呼んじゃったんですか」 不安そうな先生に八当たりするように、先輩は台詞を絞りだしました。 「まぁ・・・それにしてもあなたたち」 その瞬間、やっとのことでボクは上体を起こしちゃいました。 先生のうれしそうににやけた顔!! 「いつの間に出来てたの?ウフフ・・・」 「!?」 先輩とボクは、顔を見合わせちゃいました。 ボクはもちろんのこと、先輩まで耳まで真っ赤になっちゃって!! 「ち、ちがいますよ!!」 「そうですよ、コレはたまたま・・・」 そう、違うんです・・・でも必死に弁解してたらよけい怪しまれて、 「フフフ、じゃあ先生は職員室に行ってくるね♪」 なんて言って出るんです。しかも去り際ドアから顔だけ出して、 「くれぐれも!ベッドは汚さないでね〜」 なんて意地悪い顔で言い残していくんです・・・。 残された二人は、いろいろチョット気まずかった。 「・・・誤解、されちゃったね・・・」 「うん・・・」 先輩はうなだれて、恥ずかしそうに・・・。 ボクは思いっきり作り笑いで、 「そうですよねぇ、だってボクたち・・・先輩だって、こんな女々しいヤツと出来てるなんて、思われたら」 迷惑ですよね。 そう、言おうとした。 でも、どうしてだろう? 先輩はボクの口を手でふさぐような勢いで言った。 「・・・わたしと『デキてる』って思われたら、迷惑・・・かな?」 先輩の顔は平然としてた。 「え、そんな!!そんなことないですだって先輩かわいくて綺麗だしそのあのボクとは不釣りあい・・・」 ・・・何言ってるんだろう。 本当はこんなこと言いたくないのにぃ。 あぁ、耳まで真っ赤。 「・・・・・・」 あ、無言。 やっぱり、ダメだったかな・・・? 「・・・・・・・・・」 先輩は顔色変えないで、ボクに顔を近づけて。 キスする距離まで迫って・・・。 わかってる。 わかってます。 先輩はそんなつもりじゃないんだけど。 ボクはいたたまれなくなって、目を反らして、顔を反らして。 ごめんなさい。 「・・・フフッ」 ・・・・・・? 絶対ぶたれると思った・・・。 なんだろう? 「あぁもう・・・ねぇ」 先輩はやっぱり平然と、でも笑顔で。 「ごめんなさい」 「・・・あら、どうして?」 軽くめまいがしてた。 担任の先生が、状況を聞きに来ました。でもボクはもうマトモにしゃべれなくて、先輩が 「今日はもう・・・」 と、弁護してくれます。 先生は怪訝な顔しながらも一応事情を汲んでくれました。 「井上、無理はするなよ・・・」 拍子抜けでした。 先生が保健室から出ていくと、先輩ははにかんで言います。ちょっと、珍しい表情。 「もう大丈夫?」 「うん・・・」 ボクは照れ臭く答えます。 「じゃあ、荷物取って来て上げる」 言いだすなり、先輩は走っていきました。 取り残されたボクは、混乱と、黄昏時の冷たい風の中。ひとりきり。 夕焼けに照らされながら、ボクは一人で考えてた。 先輩は、なんであんなことアイツに言ったんだろ? 先輩は、なんでボクを怒らなかったのかな? 先輩の、あの眼差しは? ・・・・・・先輩は、ボクのことを、どう思っているのかな? 後輩として、ずいぶん可愛がってもらってる。 その事実がうれしくて。 それは、変わっていないのでしょうか。 ねえ、雪乃先輩。 ボクのこと、嫌いにならないよね? 先輩は顔真っ赤にして、息を切らして、ボクのバッグ片手に戻ってきました。 「遙クン!かえろっ!?」 ちぐはぐで不器用な笑顔。 いつもの、大胆不敵な先輩じゃないみたい。 ボクはまた、上体を起こそうとして。 「ハルカッ!大丈夫?」 うわ、来たこれ・・・。 先輩は・・・・・・。 「もう〜、心配したんだからぁ・・・」 よかった。顔はちょっとむくれてたけど、先輩はボクのこと嫌いになってないみたい。 ・・・ですよね、先輩? こんなこと、聞けるわけなく。 でもそのあとは普通の先輩とボクで。 「ハハッ、迷惑掛けてごめんなさぁい」 ちょっと気まずく笑ったり。 「もぅ!心配しちゃったんだから!!」 目をそらしながらにっこり笑ったり。 結局いつもの調子で、夕日の中、二人並んだ影ぼうし!! 「あぁ、そうだ遙クン。この前言ってたシンデレラの服、出来たんだ!今度合わせるからウチに来てねッ☆」 ボクは女の子の格好するの、好きじゃないんだけどなぁ・・・・・・。 あっ、でも、そのときの先輩の喜ぶ顔は、大好きなんです・・・。 なんだかなぁ。 17. 日曜日、珍しく一人でボクは服を買おうと思ったのですが。 店員:いらっしゃいませ〜。なにかお探しですか? 遙:(うろたえ)え、いやあの、その・・・ こんなのめったにないから緊張します。 遙:あ、ボク良くわからなくて・・・ はずかしいです。この年にもなってという感じです。 店員:じゃあ、私がなにかお見繕いいたしますが・・・ 遙:じゃあ、おねがいしますッ!格好良い感じで! ・・・店員さんが苦笑いしてます。 なんだって言うんですか!こんな女々しいボクでも格好良くなりたいんです・・・。 店員:じゃ・じゃあ、大人っぽいイメージで探してみますね? 営業スマイルが憎らしく思えました・・・・・・。 しばらくして、店員さんが戻りました。 店員:お客さま、なかなかお客さまのサイズですと難しくて、例えばジーンズなんかですと女性モノになってしまうのですが・・・。 う〜ん・・・やっぱりボクの体格が貧弱すぎて・・・・・・。 遙:う〜ん・・・ボクみたいな感じだとどんなのがお勧めなんですか? もうワケがわかりません。 店員:そうですねぇ、お客さまですとあまり男らしいものよりはむしろ中性的な・・・ それをやると多分ボク女の子みたいになっちゃうんですが・・・。 でも一応、ということで見繕ってもらいました。 試着室のカーテンを開けて。 店員:お客さま、お似合いなのですが・・・ 嫌な予感がします・・・。 遙:なんですか? 店員:とっても可愛らしすぎて、その・・・男の子に、見えない・・・・・・ 遙:うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!! 結局なにも買わずにお店を後にしました。 後日、そのことを先輩に話してみると、 雪乃:じゃあ今度私が見繕ってあげよっか? 先輩の目がきらきらしています。 雪乃:とびっきりかわいいの!! ・・・・・・それ女装じゃないですかぁ・・・・・・。 18. ボクのお気に入りの創作系サイトで、オフ会をやることになりました。 その告知の日はたまたま学校のPCから見ていて、先輩も一緒でした。 「遙クン、こういうとこ見てるんだぁ」 先輩が笑ってます。 「ポエマーなんだね、イメージ通り」 にこりと笑ってます。そして、意外な一言。 「わたしも、良く絵とか描いてるよ?」 「そ、そうなんですか!?」 いやぁ、世間って狭い。 「この前、Halっていう人の詩が素敵だったから絵を描いたんだけど・・・もしかしてぇ?」 あ。あの、綺麗な青の惑星の絵を・・・。 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!? 「あぁ、やっぱり〜。奇遇だねぇ♪」 ボクはあの絵を描いてもらってものすごくうれしかったんですけど、先輩だったんだ・・・・・・。 「遙クンがHalだったとはぁ・・・う〜む」 愉快そうに首をかしげて見せました。 ボクは照れ臭さと恥ずかしさで、愛想笑いしか出来ません。 その日のBBSの書き込みは、ヘンな議論で盛り上がっていました。 「どれどれ・・・?『えぇぇHalはおにゃのこだYO!!』『実はデブヲタだったりしてwwww』『俺が断言する。 女 装 美 少 年 』・・・ハハ、なにこれ〜!」 何故でしょう?自分のことが話題になっているのがヘンな気分でした。 「まぁ、男の子が書く詩に見えないもんね、『Hal』の作品て」 なんかむず痒いような気分です。 オフ会、出るの止めようかなぁ・・・。 「それにしてもバカな話題だよねー、じゃさ遙クン!女装して参加してみない?」 えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? 「思いっきり混乱すると思うよ〜」 ぼ、ボクは嫌なんですけど・・・。 でも、あんまりにうれしそうな先輩に押しきられて、なんと本当に女装して出ることになっちゃいました・・・。 「先輩、恥ずかしいですよぅ」 「大丈夫!遙君ならきっとみんなに大人気だから」 ヘンな噂が立ったら嫌じゃないですかぁ・・・。 当日は、先輩の家で女の子の格好に着替えて出発です。 「遙クンなら思いっきりひらひらの方がかわいいかなぁ〜・・・」 先輩の鶴の一声で、思いっきり少女趣味な服装になっちゃいました・・・・・・。 なんかふわふわとした肌ざわりと、スカートのすーすーする感覚が気持ち悪いし、周りのすべての視線がものすごく気になります。バレるんじゃないか、バレるんじゃないかと気が気じゃない。。。 「遙クンかわいい・・・やっぱ良く似合うね〜」 先輩は手を叩いて喜びます。ものすごい無邪気で子供っぽい笑顔。見たことなかったです。 女の子の格好が似合うといわれるのはとっても嫌だけど・・・先輩に言われるとなんだかヘンな気分です。 そこかしこがむずむずするような・・・。 「・・・」 ボクはふと、空を見上げました。 ビルの谷間に、青い空。 いつもと変わりなかったけれど。 なんだか、全然違う空に見えた。 「・・・遙クン、スカート押さえてるのねぇ、ずっと」 突然先輩が言います。 そりゃそうです・・・下着は男物だし、それに足を見られるのだって恥ずかしいのに・・・・・・。 「乙女ちっく〜♪」 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん。 そんなこと言うから、耳まで赤くなっちゃうじゃないかぁ・・・もう、先輩ってば。 オフ会の会場に付く前に、先輩はヘンな提案をします。 「じゃあ、私がHalってことにしてみない?それなら、仮にキミが女装ってバレても『Hal』は女装のコってワケじゃないから」 先輩、それじゃあ『Hal』は女の子になっちゃう・・・・・・。 そもそも、ボクの書き込みのどこが女の子なのかボクにはちっともわからないのに・・・。 なんだかちょっとイヤになってきちゃいます。 自分を偽りどおしで、なんだか・・・・・・。 「まぁ、遙クンの場合絶対男の子には見えないけどね〜☆」 とりあえず、先輩の提案は丁重に断ることにしました。 今日は腹をくくって、一日女の子と言うことに!! ・・・・・・不安ですぅ。 かくして、オフ会は始まりました。 何故か会場はメイド喫茶・・・主催者は管理人にしてヲタク、ショタコンを自称する『ぽえっと☆』さんといいます。小説や挿絵を書いたりしているのですがプロ並みに上手いです。 『ぽえっと☆』さんの挨拶。意外と格好良い人です。彼女さんらしき人が隣に座ってます。この人もとっても綺麗です。先輩にはちょっと負けるけど。 ・・・『ぽえっと☆』さんは美少年しか愛せないのでは・・・?不思議です。 そして輪になって時計回りに自己紹介。ボクたちは最後です。 なんだかみんなそわそわしています。ひょっとして、『Hal』の正体を待っているのでしょうか?怖いですぅ・・・。 とうとう、ボクの番が回ってきました・・・・・・。 「え、Halって女?」 「やっぱり」 「うはwwwwどっちでもテラモエスwwwwwwwwwwww」 ・・・それって、ボクも萌えられちゃってるんでしょうか?世の中理解できないです・・・・・・。 で、決心して覚悟を決めて、決意して立ちあがります。 「はじめまして、『Hal』です・・・。いつも、み・皆さんには本当にお世話になってて・・・」 何故か歓喜の声が上がります。 うぅ、怖いよぉ・・・・・・。 自己紹介のときのテンションとは裏腹に、オフ会はまったり進みます。 なんとなく話せなくてコーヒーを持ったままうつむいてると、女の人が 「あなた『Hal』さん?会えてうれしい、一度あなたとお話してみたかったんだ」 と、ボクに話しかけます。 「うわっ!?あ、あなたは・・・」 「『Mythos』です、はじめまして〜」 「あ、『Hal』です、どうも・・・ボク、あなたの詩、とっても好きです・・・」 「ありがとう〜、私もあなたの書いた詩が大好き。それにしてもこんなに可愛いコだったなんて・・・」 『Mythos』さんは笑います。 『Mythos』さんはギリシャ神話などを題材にした詩を良く書きます。ものすごく幻想的な世界観で、ボクの憧れだったんです。 「ど、どうやったらボクにもあなたみたいな詩が書けるようになるのかなぁ・・・?」 ・・・あ、ヤバイ・・・「ボク」って、言っちゃった・・・今は一応女の子ってことにしてるのに!! 「Halさんって「ボク」なんて言うんだ、かわいい・・・」 「あらあらあなた達、いつの間に仲良くなっちゃって♪」 雪乃先輩が横槍入れてきます。 いつもだったらうれしいんですけど、今は・・・いつもの調子が出ちゃったら怖いなぁ・・・。 「あぁッ先輩!?」 ダメでした。 「あら、『Snow』さんと『Hal』さんってお知り合い?」 『Snow』は先輩のHNです。 「じゃああのコラボはリアルで・・・?」 さっきの、「青の球体」という詩をボクが書いて、先輩が絵を書いた件です。 「いいえ?たまたま知りあいで・・・知らなかったのよ」 照れ臭そうな先輩。 「それにしても『Mythos』さんって本当に上手いよねぇ・・・コンクールとかに出してるの?」 「いいえ、まだ・・・そういうの本当は出したいんですけど、時間がなくてねえ・・・」 いつのまにか仲良し。先輩はこう言うときは凄い。 ・・・なんでクラスで友達が出来ないんだろ? 「ボクッ娘、テラモエス!!」 いきなりボクは男性集団に声を掛けられました・・・。しかも、会話は聞かれてるしいったいこの人たちは・・・。 怖いよ怖いよママン。 するといきなり『ぽえっと☆』さんが出てきて言います。 「俺は、女装美少年の方が良いな!!」 !? そのあと、突然『ぽえっと☆』さんは延々ショタキャラと女装美少年の魅力を語り始めました。 「やっぱひんぬーろり!!」「何を言うか巨乳のが良いってば」「やっぱり美しい男の人同士が・・・」 怖い萌え紛争です。 もうはなしはごっちゃごちゃ。 ・・・・・・ボク、ですか? ボクは、先輩のことが・・・・・・。 なんだかんだで、ものすごく疲れた一日でした。 ボクはせっかく憧れの作者さんが居たのに、女装がばれないかばれないか心配で心配でろくに話も出来ませんでした・・・。 「遙クン、今日は大変だったね・・・」 「先輩ぃ、そもそもあんなこと言いだすから・・・・・・」 でも、なんだか面白かったです。 「女装も良いモンでしょ?」 「・・・・・・やっぱ、恥ずかしい」 ――――――――――――――――――――――――---------------------------- 「遙クンも僕の正体がわからないようじゃ、まだまだだね☆」 「あなたのその趣味、最低。・・・この前なんて、彼寝こませちゃったじゃない」 「まぁ、それはそれ・・・じゃあ今日はこのワインにオランジェットで乾杯と行こうじゃないか?」 「一応、ソムリエらしいとこみせんのね、この似非ニート」 「それを言うなら、キミだって似非女性じゃない?ウフフフフフ」 「私の場合は単なる女装趣味よ。にしても遙クンかわいいわよねー、うらやましい」 ――――――――――――――――----------------------------―――――――― 19. 先輩からもらったドレス。 なんだか目に付いて、無性に気になって。 アレを見ていると、先輩に抱きつかれたりキスされちゃったりしたあの同窓会を思いだして、どきどきしてきます。 時々、そのどきどきに思いっきり浸りたくなって・・・・・・。 みんなが寝静まったのを見計らって、こっそりお母さんの口紅をつけて、ドレスを着て・・・。 誰にもバレないように、こっそり着ては、そのドキドキを思いだして。 女装は、イヤなんだけど・・・。 ドレスには、先輩の使っている香水がほのかに香っていて。 まるで、先輩に抱きしめられているような気がして。 一人、ドレスを着ている自分を、先輩を抱きしめるつもりでぎゅっ、としてみたり。 ぼんやりと物思いに耽ってみたり・・・・・・。 耳元で、先輩が語りかけるような気がして。 ボクの髪を、先輩が撫でるような感覚が。 そして、先輩の柔らかい手がボクの手を取って、そっと近づいて、口付けして・・・・・・。 ・・・・・・そんなことを考えているうちに、ボクの股間は大変なことになってしまいました・・・。 「ウワッ!!?」 ボクは自分の身体の反応に驚いて、思わずドレスを脱いで、くしゃくしゃに丸めて放り出してしまいました。 そして下着姿で自分の膝を抱えながら、溜息を付きました。 「・・・なんで、こんなことやってるんだろ。ボクってば・・・・・・」 ものすごい自己嫌悪。 自分のあそこが落ちついたのを見計らって、またパジャマに着替えて口紅を落としに洗面所に向かいます。 鏡の中のボクと目が合います。 そこにいるボクはものすごく白い顔で、女々しくて、なんだかぐしゃぐしゃに黒いマジックで消してやりたいくらい。 ・・・こんなのだけど、先輩はかわいいって言ってくれるんだよなぁ・・・・・・。 冷たい水を顔に浴びながら、ボクは先輩のことをまた考えて。 あぁもう。 ボクは先輩のこと、そういう目で見たくなんかないのに・・・。 こんなに女々しいくせに、一応男というのがこの上なく情けない。 いっそ、女の子だったら良かったのかなぁ?でも、それもなんだかイヤだなぁ。 例えどんなに女々しくて嫌いな顔でも、ボクはボクだし。 20. 熱いです。 もう梅雨は終わってしまったんでしょうか? 嘘のようにむしむししているし、太陽の日差しはひどいし。 クレープの販売車の中は冷房をガンガンに効かせても調理器具の熱に完全に負けて、蒸し風呂状態です。 「遙クン、熱くない?」 汗だくだくのボクを見かねて、雪乃先輩が冷たいジュースを持ってきてくれました。 「うわ、汗まみれじゃない・・・Yシャツ透けちゃって。色っぽ〜い♪」 ただでさえ熱くて意識朦朧なのに、先輩の甘い声はボクをもっとくらくらさせてしまいます!! 「ちょっと外に出て休んだら?このままじゃ死んじゃうよ」 「でも、先輩は?」 「いいよ、わたしがクレープ焼いとくから。外の風に当たってきなさい☆」 お言葉に甘えて、外に出て一休み、は良いのですが・・・。外の風は熱い湿気を含んで、全然すがすがしくないです・・・。 ボクはジュースを置いて、Yシャツの胸元を開いてぱたぱたと仰ぎます。 先輩が、その様子をにやにやしながら見守ってます。 ときどき、先輩は良くわかりません・・・。 「うん、眼福眼福」 ・・・・・・。 それにしても、長ズボンが汗で張りついて気持ち悪いです。 次の日も、同じように熱い日でした。 バイトに入ろうとすると、先輩が大きな袋を抱えてやってきました。 「遙クン、熱いかなと思って・・・こっちのが涼しいよぅ?」 と言うなり取りだしたのは、先輩と同じ女の子のクレープ販売の制服。 「マスターに頼んで作ってもらっちゃった☆」 あのマスター、見かけによらず・・・といっちゃうと失礼なのですが、とっても手先が器用なんです・・・でも・・・。 「マスター、遙チャンなら似合うだろなんて言って張りきっちゃって☆」 ・・・・・・マスターまで・・・はぅ。 女の子の制服に着替えて、恥ずかしい気持ちでいっぱいです。でも涼しいんですが・・・やっぱり逆に熱い気もします・・・。 「うわ、遙クンやっぱり似合う〜。マスターにも見せてあげたいわ♪」 ・・・あの、動くのも怖いんですが・・・。スカートの丈短すぎ!! 「足、きれいだねぇ〜・・・ちょっとジェラシー」 ・・・全然うれしくないし。むしろジロジロ見られて恥ずかしいんですけど・・・。 「今度、ちゃんと下着も女物用意しなきゃダメねー」 なんて言いながら、先輩うれしそうにニヤニヤしちゃって!! 「じゃあ今日は遙クンが注文ね?」 「え、えぇ〜〜!?」 スカートを絶えず気にしながら注文を受けます。 「あれぇ〜?今日は遙どうしたの?」 常連の隣のクラスの女の子が突然問いかけます。ドキッ! 「あ、あなた新しいコ?遙そっくりね〜・・・」 「え、あの・・・」 「あぁ、今日は遙クン用事があって〜。ピンチヒッターで遙のいとこのコ。可愛いでしょ、遙クンに似て」 先輩がニヤニヤしながら彼女に答えます。 「そっか〜。一瞬遙が女装してるのかな〜なんて思っちゃった☆」 ドキドキッ!!? 「あ、あの、御注文は以上でよろしいでしょうか!?」 「うんうん〜、バナナとプリンね〜」 その場をごまかすように、逃げてきちゃいました・・・。 はぁ、すごくドキドキする・・・・・・。 「でも遙なら女装も似合うよね〜・・・今度制服着てもらおッかなぁ・・・」 「ピンチヒッターの売り子さん」は、なんとか今日を切りぬけました。 「ピンチヒッターの割にはずいぶん手馴れてるね〜」 「そうですよ〜。このコ、他のとこでいつもやってるからぁ」 先輩は妙にニヤニヤしながら答えます。 ボクはいつバレるかひやひやしながら一生懸命、それどころじゃなくて・・・。 日がとっぷり暮れたころ、マスターがやってきました。 「おぅ二人とも!今日はお疲れ〜!!」 「マスター見て見て♪似合うでしょ〜」 マスターを見るなり楽しそうに先輩は言います。マスターがボクを一目見るなり、 「ハハハハ可愛いじゃねーか!コイツは傑作だぁ、今度から毎日この格好でやったらどうだい!?」 と、豪快に笑いながら言います! 「マスタぁ〜、今日はピンチヒッターってことで・・・」 「だってこっちの方が似合ってるぜ?」 うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!みんな酷いです!!! 21. ボクは「かわいい」って言われるのが嫌いです!! 男だし、やっぱり「格好良い」って、言われたいじゃないですかぁ・・・。 土曜日、先輩のうちに行くことになりました。 せっかくだし、いつもと違う少し大人っぽい格好で、髪型もビシッときめて、行こうと決意しました。 黒系で統一した服に、髪型もお父さんを参考にビシッと立ててみたり。 鏡のボクは、少しだけ大人っぽく見えるかな? かくして意気揚揚と先輩の家に付いたボクを迎えた先輩の第一声は、 「おっ、いつもと雰囲気変えてきたね。今日もかわいい〜♪」 ・・・あれ? せ、折角一生懸命苦労してカッコイイ服装を選んできたのにぃ、か、カワイイ!!? うわぁぁぁぁぁぁぁん。 苦労が一瞬にして水の泡と帰し、くずおれたのも刹那、 『ぎゅっ』 と、先輩は玄関先で思いっきりボクを抱きしめたのでした。 もう、耳まで真っ赤・・・・・・。 それに、先輩の「かわいい〜♪」が、ボクの耳にリフレインします。 そして、それがイヤじゃなかった。無条件にうれしいわけじゃないけれど、むずむずするような、でもウキウキしちゃうような。 先輩の声には魔力があるみたい。 ボクには飛びっきりの。 先輩は、魔女だ!! 「せ、先輩・・・ちょっと、はずかしいです・・・」 その日は、シンデレラの衣装合わせ、のハズが、先輩の持ってる服をいろいろ。また着せ替え人形でした・・・。 しかも写真なんか取られちゃったり。先輩、だんだんエスカレートしてきてる気がします・・・。 「そろそろ暑くなるし、ねぇ遙クン、今度は水着なんて着て欲しいな、なんて☆」 えぇぇ、いくらなんでもそれはやりすぎです!一線超えちゃいますよぅ・・・・・・。 「・・・それにしても、遙クン足がきれいですのぅ!ほれほれ」 うわぁ、ふ、ふともも撫でないでくださいよぅ!! その日の夜、ボクは湯舟に浸かって考えました。 このまま、先輩のオモチャみたいだけど、いいのかな・・・・・・。 でもすぐに先輩の無邪気な笑顔が浮かんじゃって、あの子供みたいな声が耳元で笑った気がして、また顔が熱くなってきて・・・。 ブクブクブクブク。 22. 先輩は、ボクのこと、どう思っているのでしょう? ボクは、熱病に浮かされたように先輩のことを想いつづけて。 心に突き刺さった、重い重い銀のトゲ。 届きそうで届かない、天上遥かの太陽。 『先輩、ボクのこと、好きですか?』なんて聞けるはずもなく。 気が付けば、雪乃先輩がサッカー部のエースの先輩と付きあってる、なんて噂が出る始末。 告白できるほどの勇気はないけれど、それでも浮かされた熱のやり場がなくて。 コレ以上どうしようもなくなってきて・・・。 手に届かなかった、サン・セバスティアンの太陽はまっぴらごめん!! ある日の放課後。 先輩とボクは、いつものように屋上で二人っきり。 「遙クン、顔・・・赤いよ?」 「えっ!?そ、そんなこと・・・」 「あるある!真っ赤なゆでダコ〜♪」 先輩はいつものように、無邪気にボクをからかいます。 あなたのその行動が、こんなにも近くて、またボクの心を苦しめる。 そんなこと考えてるうちに、苦悩と熱病の拡大再生産オートマチックに。 「どうしたの?今日の遙クン、なんかヘン・・・」 からかいが止みます。 少し切なくて心配そうな瞳。 その光はまた、ボクの心臓に直撃する銀の針。 「・・・ヘン、ですか?」 「うん。だって、なんだかいつもと違って、あせってる気がするよ?」 先輩は、いつだってお見通し。 ボクの、恋心以外はね・・・。 「それに、なんだか苦しそう・・・悩み事あるんでしょ!おねーさんに言ってごらんなさい!!」 ・・・先輩、サッカー部の先輩と付き合ってるって、本当ですか? なんて言えるはずもなく。 臆病で女々しい、へたれたボクは。 それでもッ!! 「・・・・・・先輩、今『恋』、してますか?」 怖かった。 うん、と、留保無しに、単刀直入に現在進行形だよといわれてしまうのが。 それでも、覚悟を決めた。 少しでも、先輩に近づこうと。 結果、離れてしまうことになってしまったら? ボクはバラバラになっちゃうかもしれないけれど。 討ち死にも悪くない、とちょっとだけ切なく思ったり。 先輩はきょとんとした顔で。 少しだけ、出しぬいた気分に浸れた。 けれど、その空洞みたいな顔は切なかった・・・。 少しだけ、ホント少しだけだよッ?後悔しちゃった・・・。 意外な言葉は突然に。 「う〜ん・・・恋、かなぁ・・・してるといえば、してるかも」 奇妙なむず痒い表情な。 「そばに居て、いつも一緒なんだけど、でもコレは、う〜ん・・・・・・」 歯切れは悪くて、少し恥ずかしげで、うつむき加減で。 とりあえず、付きあってはいない、みたい? 「片思いみたいな、一方通行みたいな、それでいて、なんか通じ合ってるものは有るのかな・・・?」 ボクの心臓は、今度は重々しい銀の弾丸に貫かれて。 「せ、先輩ッ!!」 根身の力混めて、最後の一撃の決意! 「そ、その相手は、誰なんですかッ!!?」 先輩は一瞬、遥か青い空を仰いで。 その横顔が、この上なく切なくて。 あぁ、・・・言うんじゃなかった? そうすると先輩は、雪乃さんは悩ましい顔で。 「は、遙クンだけには言えないなッ!!」 ・・・・・・えっ? 「・・・先輩、サッカー部のあの人は・・・?」 「違うよ、ただのお友達だもん。私はもっと可愛いコが好き」 太陽のような、やさしい笑顔。 そして意外な台詞。 「・・・遙クン、今は恋じゃないんだけどね・・・?」 そういうと、ボクの頭をそっと撫でて。 「・・・それって、ひょっとして立候補?」 いつもの無邪気なニヤニヤ笑い。 大胆不敵なその表情。 あぁ、先輩には何もかもお見通しなんだ。 「えっと、えっと、えっと・・・」 先輩は、お姉さんのような不思議な安らぎ誘う笑顔で。 つぶやいた、 「ハルカ、ハルカ、ハルカ・・・・・・」 熱病からは、まだ、醒めない。 むしろ、致死的なまでに悪化して。 このまま魂まで奪われてしまっても。 あなたになら、かまいません。 「というわけで、今はまだ、フリーで!!」 先輩はにっこり笑って、また校庭を背に、空を仰いで。 少し、ボクの心は痛かったけれど。 それは、なんだか心地よい痛みで。 むず痒いような表情で、ボクは押し黙ってしまいます。 「・・・ん?ひょっとして、さみしい?」 ボクは黙ってうなずきました。 「大丈夫、ハルカ・・・わたしは、ここに、いるよ?」 23. それにしても、先輩はどうしてクラスで孤立しちゃってるんでしょうか・・・・・・。 ボクには良く分かりません、先輩の気持ちが。 この前のことが少しもやもやで残ってて、ちょっと顔を見られなかったころのこと。 「そういえば堀江さん、彼氏出来たって本当?」 雪乃に、突然、同じクラスの女子が話しかけてきた。 軽口。だが、意外と癪に触るようなものではない。 むしろ、気さくで、なじみやすい。 「ん・・・えっ!?」 「何その反応・・・さてはっ!」 「違うわよ?彼のことでしょ」 雪乃の反応は妙な冷静さを持っていた。 さっきまでぼんやりしてたのに。 「サッカー部のエースと出来てるって奴ぅ〜」 「わたし、そういうのタイプじゃないから・・・」 「そなんだ」 妙にほうけたような雪乃の表情が気にかかる彼女。 「・・・ねー、如月さん」 如月、と呼ばれた同級の少女は一気に耳を立てた。好奇心センサーが常に動作しているようだ。 「なに?堀江さん」 「わたしのことは雪乃と呼びなさい」 と、にっこり笑う。 「分かったよ雪乃。じゃああたしは、明日香で」 「りょ〜かい、明日香。でさ、恋愛のことだけどさ・・・」 雪乃は、気がつくと、遙のことを話しだしている。 「・・・あ、また遙クンのことだぁ・・・」 「そういえば一緒にバイトしてる彼だっけ?」 「うん」 「あのコ、あんまり男の子に見えないよね〜」 「それを言うと遙クン傷つきます」 「あ、ゴメン」 と、取りとめない会話。 明日香はふと、気付いた。 「・・・ねーねー雪乃サン、どうして今までクラスのみんなと全然話しなかったの?こんなに普通にしゃべれるのに・・・」 明日香の問いかけに雪乃は笑って、 「さぁ?なんだろうね・・・」 とだけ言った。 少しだけ、みんなとなじめない理由が分かった気がした。 でも、彼女意外と面白い。そうも明日香は思った。 「雪乃、考え読めな〜い」 「そでしょ?良くポーカーフェイスって言われる」 「表情は豊かだけど、あたしみたいに」 「さぁ、どーかな」 「あぁ、雪乃何そのニヤニヤ!!」 すると、クラスのリーダー格の女子がやってきた。 不機嫌そうに、彼女は雪乃に問いただす。 「あなた、大鳥サンとつきあってるって本当?」 別に背も顔も迫力有るわけではないが、気迫が怖い。 しかしそれを受け流すように雪乃は、 「え?ただのお友達」 と、平然として答えた。 「わたし、可愛いコが好みみたいだし・・・」 その平然具合に、リーダーはむっつり顔で、 「まぁずいぶん余裕ね・・・でもその鼻ッ柱へし折ってやるわ!!」 ハーフにも見える優雅な顔立ちとは裏腹に、激しい台詞を浴びせるリーダー。 後ろ姿の怒り肩が、少し滑稽。 「鼻ッ柱強いのはあなたじゃない・・・」 「雪乃サン、よく怖くないねー・・・」 「そう?ちょっとびびっちゃったけど☆」 と、雪乃は微笑む。 明日香はちょっと、胸がドキン、とした。 「・・・雪乃、笑顔可愛すぎ」 「え?そーかな・・・でも遙クンには良く言われる」 「あ〜〜ッ!!」 明日香は思わず大声を出した。 「さっきから遙クン遙クン・・・彼のことが好きなんじゃないの?」 明日香の突然の台詞に雪乃は少しだけ考えるそぶりを見せて、言った。 「まだ、恋じゃないんだよね〜、ムツカシイ」 「あ、悩める乙女」 明日香は、雪乃に負けないくらい、無邪気に笑った。 そして二人は、いつしか明るく笑いあっていた。 ボクはたまたま廊下を通りかかると。 雪乃先輩が同じクラスの人と一緒になって笑ってるじゃないですか!! ヘンな感じですけれど、うれしいというか、安心したというか・・・。あ、これじゃボクえらそうですね・・・。 でも、先輩にお友達が居ないようで心配してたのは確か。 そして、ボクは、先輩のクラスをどきどきしながらこっそり通りすぎたのでした。 ・・・ボクですか? それはこれから、お話しますね。 24. そう言えば先輩、お嬢さまな中学校からどうしてここに来たんでしょう?ふと気になりました。 ボクは最初、どうにも今のクラスになじめなくて。 ときどき、女の子たちには「井上君!!」なんてからかわれたけれど。 男の子たちの輪にはなんだか入りづらいんだよなぁ・・・。スポーツの話とか、ゲームの話とか、良く分かんないし。 自分の席で、本を広げる休み時間。 ・・・まぁ別に、いーけどさ。放課後は先輩と一緒だもんね。 ところが、クレープ屋の「ピンチヒッター」の一件以降、女の子たちは妙なこと言いだすんです。 「ねーねー、私の制服ちょっと着てみてー♪」 ・・・・・・なぜッ!? 「い、イヤですよ〜・・・」 こんな調子で逃げまわったり・・・ハァ。 ボクの後ろの仁科君は、いつも寝ています・・・。 国語の授業のとき、ボクが音読すると 「グーーーーーーーーーー」 大イビキ。 「こらッ!仁科ぁ何やってるんだ!?」 すると彼はむっくり起きて、 「あれ、今何ページッすか?」 「何ページじゃない!井上が読んでるだろうが!!お前な〜、しっかりしろ!」 「すんません・・・」 ・・・・・・先生の怒号にビビリっぱなしです。 ボクが読み終わって座るなり、仁科君は小声で、 「わり、井上教科書ちょっと貸して?」 ・・・・・・忘れんぼう。 「ハイッ・・・きちんと持ってきてよぅ・・・」 「わりぃわりぃ」 その反面、仁科君は体育ではヒーローです。 今日はサッカーでした。ボク、サッカー苦手なんだよなぁ・・・・・・。よく転ぶし。 「おい、井上ッ!パスくれ〜」 威勢の良い声で、仁科君が叫びます。 「は、ハイッ!!」 と、ボクは細い足でへろへろシュート。 すると、敵側はチャンスとばかりにへろへろと進むボールに強襲を掛けます!! ところが、突然ボールはその場所から消えています。 そして歓声が上がります。 ボクは振り向くと、ゴールのネットを揺らすボールと、ガッツポーズの仁科君。 うへぇ・・・凄いなぁ。 ボクもあんな風になれたらなぁ・・・・・・。 友達も少しは増えるかなぁ・・・? 教室で制服を着ていると、仁科君が話しかけます。 「さっきは、サンキュな。オマエのおかげでゴール取れた」 「仁科君、凄いね・・・ビックリしちゃった」 仁科君は胸を張って、 「へッ、楽勝よ!!」 ところが次の瞬間、めっぽう情けない顔になって。 「なぁ井上、今日のノート、写さしてくんね?わりぃ」 「もう・・・ちゃんと授業聞かなきゃダメだよ?」 「へいへいッ」 なんか、いつもこんな調子。 仁科君は休み時間中ずっと友達に引っ張りだこの人気者。 だから、こんなのだけど少しでもお話できるのがうれしくて。 それを屋上の先輩に話すと、 「へぇ・・・遙クン、変わってるねぇ」 ・・・変わってる、かなぁ? 「キミも相変わらずかぁ・・・ま、わたしも似たようなもんだけど?」 と、笑います。 そんな素敵な笑顔なんだから、友達くらいいくらでも出来る気がするんだけどなぁ・・・。 世の中って、ムツカシイ。 今日は、1・2時間目体育。 憂鬱な時間を終えて、なんとなく着替えている仁科君を見てました。うらやましい・・・。 足、ずいぶんがっちりしてるなぁ・・・。 すると仁科君、ボクに気付いて。 「どう?オレの足。結構鍛えてるんだぜ?」 突然話しかけられたので、ちょっとあたふたしちゃった。 「あ、す、凄いね!!ボクなんてさぁ、こんなんだもん・・・」 ボクはもう制服を着ていたので、ズボンをすこしたくし上げました。 白くて細い足。イヤだなぁ・・・。 「オマエ、貧弱だな〜・・・少し鍛えろ?」 と、にっこり笑います。 「そうだね・・・少し走ってみようかな?」 「陸上部とか入れば?」 「ダメだよ、ボクなんか死んじゃう・・・・・・」 マラソンはからっきしダメです・・・。短距離も。 「そっか・・・しかし、なんかオマエの足、色っぽいなぁ〜ッハハ」 あぁ〜、笑われちゃった・・・。 でも、仁科君になら言われても悪い気はしない。あんまり。 「で、わりぃ、また教科書見してくんね?」 結局寝てる仁科君・・・。 お昼のチャイムで目が醒めては、われ先にと学食に急ぐんだから・・・。 ボクはお気に入りの本を抱えて、少し後から学食に向かいます。 ボクたちの学校は、方針かなにかでお昼休みは教室に鍵を閉めます。曰く、教室で騒いだり寝たりしないで読書やスポーツに励みなさいって。 でも、結局屋上が大人気で。ボクはパンと牛乳を買って、今日も屋上に向かいます。 ・・・あれ?今日は先輩がいない・・・。 少しさみしいなと思いながらも片隅に座ると、意外な人が声を掛けます。 「よッ」 仁科君でした。 「あれ?珍しいね・・・いつもは校庭にいるのに」 「まぁ、たまにはね〜。オレもまったりしたいときくらいあるさ」 屈託のない笑顔がまぶしい。 はぁ、ちょっとオタク入ってるボクにはこんな笑顔できないや・・・。 「そういえばさー、さっきから女子が騒がしいんだけど?」 「?」 ボクは首を傾げました。なんで? 「オマエのこと。なんか制服着せたいんだってよー、受ける」 「・・・うわ、勘弁」 そして二人して笑います。 仁科君は、のどちんこまで見える大笑い! 「コレからどうする〜?」 「う〜ん・・・いいや、オレもどろっと」 「ん、ボクも」 ごはんを食べて、ボクたちは教室の前に向かったのですが・・・。 女子軍団が、妙な雰囲気で固まっています・・・・・・。 「うわ、ヤバイな井上・・・」 「うん、もどろっか・・・」 そろそろと引き返そうと、思ったのですが・・・。 「あ、遙く〜ん!!ちょっと来てよ〜☆」 ・・・・・・逃げられません、ね。 「うわ、ご愁傷様」 「・・・・・・はぁ」 「オマエ一人じゃ不安だから、ついてってやるよ」 仁科君、やさしいなぁ・・・。 まぁ、不安は的中するわけで。 「遙くん、このまえバイトでいとこのコが来たじゃない?」 ・・・・・・ヤバイヤバイよ先輩・・・。 ひょっとしてバレたんじゃないかと、まずは心配して。 「それでさぁ?遙くんもひょっとしたら女子の制服似合うんじゃないかって話してたんだぁ〜☆」 ・・・とりあえずはバレなかったけど。 今、そこにある危機、ってヤツ? 「ちょっと私の制服着てみて〜、おねがぁい☆」 うわ、ぶりッコ。 仁科君、思いっきり引いてます。 ボクは、自分の顔からさっと、血の気が引けてゆくのを感じます。 「ねーねー♪」 「・・・・・・イヤだぁァァァァァァーーーーー!!!!」 ボクは仁科君を道連れにして、逃げ出しました!! 「遙ぁ〜待てぇぇぇぇ!!」 この上ないにこやかな笑顔で追ってくる女の子たち・・・怖いです。 「わぁぁぁぁぁぁ〜!!」 「おいぃぃぃぃなんでオレまでぇ!?」 仁科君を巻き添えに、すさまじい鬼ごっこ。 ボクたちは逃げました。それこそ死ぬ気で。 でも女の子たちのチームワークは凄まじく、あっという間に袋小路に追い詰められたのです・・・・・・。 はぅっ。 「ちょっとで良いから、お願いッ!」 女の子たちは笑いながら、手を合わせて頼み込みます。 万事休す、と思ったそのとき。 「止めろよッ!!遙嫌がってんじゃねえか!!」 仁科君でした。 彼は顔を真っ赤にして、本気で怒ってました。 凄い気迫。 その気迫に押されたように、女の子たちも黙りました。 波を打ったような静けさ。 沈黙が続いて・・・・・・。 「は、遙。行くぞッ!!」 仁科君はボクの手を取って、女の子たちの間を通っていきます。 女の子たちは、ボクたちを呆然と見ています。 ・・・うれしかった。 結局また、屋上。 ボクたちは黙りこくっていたんだけれど、仁科君口を開いて。 「オレさぁ・・・ああいうの、嫌いなんだよな」 ・・・そう、だよね。 ボクみたいな女々しくてなよなよっちいの、イヤだよね。 ・・・・・・しゅん。 「・・・あ、オマエが嫌いってんじゃなくってさ!?多勢に無勢、っての?なんかヤじゃん、いじめっぽくって」 少し泣きそうになってたボクは顔を上げて。 「あぁぁ泣くなよ〜、そんなんだからからかわれちゃうんだぞ?」 泣くな、といわれて、よけいに潤んできちゃいます・・・。 顔が、熱くなってくるよぅ・・・。 「オマエさぁ、もう少し堂々とした方が良いぜ?そりゃ、オマエちょっと・・・・・・」 ちょっと? ・・・仁科君、ボクの顔をじっと見つめます。 目に涙なんか浮かべちゃって・・・恥ずかしい。 「・・・オマエちょっと、可愛くね?」 ・・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!? ちょっと待ってくださいそれどう言う意味ですかそれってフォーーーーみたいな!? 「・・・いやオレホモじゃねーよ、そういう意味じゃなくってぇ!!」 仁科君、顔が赤いです・・・・・・。 「いや、なんつーか、そうだ弟!なんか弟って感じ?」 ・・・弟? そんな風に言われたのは、はじめてかも。 「なんか見てて頼りねーしよ、でもほっとけねーってか、そんな感じ?だってよー・・・」 ・・・ちょっと、照れるな。 「やっぱオマエほっとけねーな・・・うん、うん」 ヘンにぎこちなく、一人うなずきます。 「・・・」 なんか、声を出しづらい。 「ん、どーした?遙」 いつのまにか、ボクのこと「遙」って呼んでるんだ・・・。 ちょっと、友達になれたのかも? 「さ、さっきは、・・・」 「・・・どーしたんだよ、早く言えよ」 ヘンに照れ臭そうな顔で。 ボクも、少し恥ずかしいけれど。 「さ、さっきはありがとね!助けてくれて」 にっこりと、お礼を言いました。 おまけに、涙出ちゃうし・・・なんか、最悪かも。。。 あぁぁ、折角の作り笑い(ほ、本当はうれしいんだよ!?)がくずれちゃう・・・。 「い、いーってことよ!!」 仁科君は、またあの屈託ない笑顔で。 答えてくれた。 ・・・・・・ありがと。 「・・・これからも、よろしくね?」 「ハン!何を今さらっての!!それでさぁ・・・」 ・・・まだ、続き? 「・・・ゴメン、やっぱオレも遙の女装、みてーーわ」 ・・・・・・うはっ。 次の日の昼休みも、騒がしくて。 「ねーねー遙くーん、コレ着てよー♪」 ・・・・・・うわっ。 「は、遙、こんな奴ら相手にすることねーって。行こうぜ?」 仁科君、またボクと一緒に屋上行ってくれるって声掛けてくれて。 じゃあ、ささやかなお礼のつもり・・・。 「うん、いいよ?」 「えっ、オマエ・・・」 ボクは、仁科君に、こっそりと。 「昨日助けてくれた、お礼☆」 「ウワッ遙くん、マジ〜!?やったー♪」 仁科君、顔真っ赤にして黙っちゃった・・・・・・。 で、女子の制服に袖を通してみた。 やっぱ女の子の服って、すーすーして気まずいなぁ・・・。 制服を着たら、女の子の反応が怖かった。 「うわっヤバイ。コレヤバイよマジで〜!!」 「これは・・・負けた・・・!?」 「明日からコレで来てよ〜」 「かわいい〜・・・」 ・・・・・・うわ、うれしくない。 ちらっと、仁科君のほうを見た。 「・・・・・・かわいいな・・・・・・」 ちょ、仁科君!?ちょっと、目がヤバイよ〜!? そしたら通りかかった雪乃先輩・・・!! 「あ〜遙クン女の子の制服着てる〜!!やっぱり超似あう〜〜☆★♪」 せ、先輩まで大喜びぃ!? 隣にお友達が・・・・・・。 「え、マジ?このコ本当に男!?」 「うんうん!言ったでしょすっごくかわいいって〜♪☆★」 ・・・・・・これは放課後が怖いかも分からんねorz 25. 今日も今日とて先輩のうちに呼びだされて・・・。 雪乃先輩は妙にうれしそうでした。 ・・・先輩のこういう笑顔は、ロクなことないんだよなぁ・・・企み事してる目がぁぁ。 今日はバイク(ドゥカティ、というイタリアのメーカーのバイクだそうです。400万もしたんだとか・・・)も、クルマ(こちらはフランスのルノー。ちょっとおしゃれな感じ)もありませんでした。 ・・・ちょっとヤバイかも。 先輩の家に上がるなり、先輩のお部屋に通されました。 女の子らしい可愛い部屋だけど、なんだか違和感・・・。 「へへ〜ん、タンスが増えました〜♪」 先輩が、コーヒーを持ってきてくれます。先輩のはブラック、ボクのはミルクたっぷりの。 先輩はうれしそうにコーヒーを飲んで、 「いやぁ実はねぇ遙クン?最近服が増えちゃって・・・・・・」 そりゃあ服は増えるでしょうけど、タンスが増えるといったら相当ですよね・・・。 ボクは、コーヒーに口をつけました。 ものすごく甘い、ボク好みの味です。 先輩ボクのこと良く見てるんだなー、と、少しうれしくなっちゃったり。 でも、これは・・・。 増えたタンスからは、なにやら禍々しい雰囲気が漂ってきます。 あのホラー映画、あったじゃないですか?あんな感じ、でももっと切迫した・・・・・・。 はぅっ。 おびえる小動物みたいな目をしながら。 すると突然、先輩はすっくと立ちあがり。 タンスの前に。 「突然ですがッ!」 大胆不敵な笑顔と、大げさなリアクション。 雪乃先輩の真骨頂です・・・・・・。 タンスをバーーーーーンと思いっきり開いて! 「ハルカは女装しほうだい!!!」 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん非道すぎますよぉぉぉぉぉぉ!! 「というわけで制服〜ホレホレ☆」 ・・・着せられちゃいましたぁ・・・。 そりゃあ、大泣きしますとも・・・・・・。 orz ----------------------------------------作者あとがきwwww--------------------------------------- 15. なんか相変わらずなゆるゆるあまあまっぷりにwwwwこんなのです。 「Hal」は遙のHN。 もっと可愛く書けるようになりたいお。。。あと女装。 16. 結局こんなの。いつもどおりの。 で、女装してないじゃん。あぁ女装書きてえええええええwwww。 以下、遙女装三連発。 17. ちなみにブーツカットのジーンズにピンク色のTシャツだとおもう。 完全に女の子に見えるらしいwww 18. ・・・う〜ん。女装美少年萌えって難しすぎですね☆ 19. この野郎。俺はいったいなに書いてるんだと思いながらなぁ。コンプレックスの塊な遙でした。 20. 相変わらずの女装ネタ。コレ以後、遙はずっと女装でバイト入ってるとか入ってないとか。イヤ嘘ですよたまにです。 そういえばもう20行ったのなwwwwwwまだまだネタは尽きないぜwwwwwwwwww 21. 恋する少年ってここまでピュアなのかしらねー。 女装モノといえば放浪息子ですが、アレは主人公の二鳥君が暴走しっぱなしだけど、先ボクでは雪乃先輩突っ走ってるwwww ・・・俺もなー。 22. よくわかんないけどねwwwwポエマー遙wwwwwwww すこしだけ歌詞っぽくしてみました。「サン・セヴァスティアンの太陽」は、ソナタ・アークティカの「サン・セバスチャン」から。アルバム「サイレンス」に入ってるんで聴け。 しかしニコチンの魔力に少しだけ感謝。身体には最悪だがなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 23. 実験的に3人称視点、女の子だけという。 でも明日香の性格付けが・・・雪乃とかぶってるwwwwwこれから、これから。 ちなみに大鳥ってのはあのサッカー部のエースにして女装趣味の有る人気者デス><なぜ遙と噂にならないのか・・・。 24. 騒がしい学園モノ目指し〜の。 遙クンのお友達出してみたり黄色い声全開だったりちょっとショタホモ臭いの狙ってみたり盛りだくさんで頑張ってみた。 25. あの保守漫画、小説版。 ひどすぎるといいながらも女装、それが先ボククオリティ!!wwwwwっうぇうぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ちなみに400万のバイクは実在します。俺も欲しい・・・・・・。今は999Rな。